21件目 人の道徳、自分の考え ページ22
ぱっちりお目々が覚める健康優良児とは私のこと。時刻はまだ鶏が鳴き始める時間。
この宿屋、一つの大きな部屋にご飯を食べる場所と寝床の2つをふすまで仕切っている。昨日は我先にと寝床に入った。彼らはこちらに来て寝ていない。
『・・・』
ふすまをそろりと開けると、すでに四角の机に肘をついて外を眺めている男が。端には布団を腹にかけて蹲りながら寝ている男。
『おはよう』
gr「早いな、おはよう」
いつ起きてたのこの人。寝起きって感じがしない。私が起きる前に起きていたのだろう。
gr「座れ」
昨日のように怒った口調ではない。それを感じ、向かい合わせになるように座る。
gr「なぁ、一つ聞いていいか？」
『なに？』
おいてある給水器から水を出す。
gr「お前は国王のことを、自分の父のことをどう思ってる」
『・・別に』
言葉を飲み込むように、水を押し込む。
『なんとも』
gr「なら、あぁなりたいとは思うか？」
『それはなりたくねぇなぁ』
嫌だよあんな新興宗教の神様みたいなの。独りぼっちですって言ってるようなもんじゃねぇか。
gr「そうか。それを聞けて安心したよ」
『あ？』
gr「いいか、よく聞け」
いつになく真剣な瞳に目が反らせない。だが、なんとなく説教されるのかと本能が察する。
gr「今後一切、人の命を使う策を作るな」
『・・あ？』
gr「不慮の事故や計画の穴で死んでしまう場合、これは仕方ない。だが、人が死ぬことを想定した作戦は使うな」
やっぱり説教か
gr「俺の仲間は俺の策で助ける。いいな」
『私が無能ってこと？』
お前の策は使えない、なんて遠回しで言うくらいなら普通に言われたほうがいいんだが。
gr「だったらそう言うわ。ちゃう。
・・・このままその考えで行ったら、お前いつかお前の父親のようになるからな」
ドクリ、と心臓がなる。それを隠すように机に寝そべって顔を隠す。
『それは困るなぁ』
そんなのまるで、私とあれとの血のつながりを肯定してることになるじゃないか。
『・・困る』
赤い瞳がぐずりと疼く。唯一あれと同じもの。それ以外は全て母さんからの贈り物なのに。
gr「お前、きちんとした教育を受けていたか？」
『は？馬鹿にしてんのかお前！』
gr「道徳や倫理の事だ。」
受けか？受けた・・記憶はあるが
gr「どうも欠如しているようにしか見えん」
ut「僕と同じやーん」
むくりと部屋のはしから何か起き出す。何かじゃないわ、大先生だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1941人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ネメ - grちゃん視点のヘラちゃんのシーンマジで鳥肌立ちました...文才神... (5月18日 1時) (
レス) @page22 id: eb05b364fd (このIDを非表示/違反報告)
ノコキノ - めっちゃ面白いです！夢主の性格がなんかカッコイイし…！更新頑張って下さい！続き楽しみです！ (2022年3月2日 16時) (レス) @page46 id: d2ad17c9e0 (このIDを非表示/違反報告)
himahima(プロフ) - え...かわいい...好きです (2021年7月28日 4時) (レス) id: aa9925d685 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみだいふく(プロフ) - 今更見つけました()好きです、更新待ってます！ (2021年4月3日 1時) (レス) id: c9684e4af6 (このIDを非表示/違反報告)
Rukia (ゆっくりゆる) - 突然の東方要素(好き) あっ、(この作品)すきです。 (2021年2月1日 21時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：碧月
| 作成日時：2019年9月9日 12時
