似てないふたり【JW】

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悲しい、とか、悔しいとか。

そういうのは考えんようにしてた。

思えばその気持ちに苦しめられてしまうから。


私が悪い。上手く出来ひんかった。私ひとりのミスで、何人もの人に迷惑をかけてしまって。溢れそうな溜め息も涙も、全部飲み込む。大好きなメンバーに会えば、なんて事ない。ラブな大毅くんも居て、優しいマネージャーさんも居る。幸せな環境に居るもん。





『大毅くんはドラマどんな感じ？』

「相手の女優さんとは仲良くなってんの？」

『淳太くん余計な事聞かんといて。大毅くん答えんといてな』

「別に普通やで。休憩同じになれば話すし、」

『聞きたない！！！』

「なら俺と話そうや、A」

『ちょ、望痛い！』





望が大毅くんとの間に入って来て、大毅くんはグラスを持つと淳太くんの隣に腰掛ける。…真正面で見る大毅くんも可愛い。この可愛い大毅くん後で写真撮らなあかん。

隣で何か言ってる望は無視して、スマホを取り出して写真を撮ろうとすれば、バチン、と大毅くんと目が合う。





『…え？なに？』





たまたま合ったなら離れてもいいはずなのに、まだ目が離れへんくて戸惑う。…え、私の可愛い顔になんか付いてる？





『顔に穴あくから辞めてくれへん、』

「電話。いつでもええからな」

『……ありがとう。今の録音したいんやけど、もっかい言って？』

「誰がするかボケ」





ほら、デレ。優しいよね。

なんやかんや言いつつ、私の逃げ場を作ってくれる。



中々離れられへん。嫌いになれへん。

好きになっていく一方。


大毅くんを普通のメンバーとして見れんくてごめん。

メンバー以上を求めてしまうのも、どうしようもないくらい大毅くんが好きやから。





『ねえ大毅くん、結婚しよう』

「やから、お前とは死んでもせぇへんから」

『なら望としよ〜』

「え、シンプルに嫌やねんけど」

『みんな優しくしようや』





本気だって受け取られなければ、

私の恋が色褪せる事は無い。





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