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『ねえねえ、大ちゃん』
「ん?」
大ちゃんは今日お休みみたいで、
ゆっくりふたりで朝ご飯を食べてた。
『大ちゃんって、私のどこが好き?』
「ブッ……!」
あ、これ絶対聞いたらいけないやつ。
言った後に気が付いて、断ったけど大ちゃんはスラスラと言葉を紡いでいく。
「ピュアで可愛いくて、真面目で人の気持ちが分かる所」
『……なら嫌いな所は?』
「無いで」
トーストをコーヒーで流し込みながら大ちゃんは端的に、でも、真っ直ぐに言われるから自分で聞いといて照れて仕方ない。
『ねえ、大ちゃん』
「ん?」
『大ちゃんの言う好きは、なに?』
「付き合いたいなって意味。Aちゃんが他の誰かを好きって思うんなら諦めるけど、無いなら俺と付き合って欲しい」
『大ちゃんモテたやろ、』
「今でもモテモテやわ(笑)嫌なくらい毎日笑わせるで?」
変に真面目やないというか、普段と変わらない少しおちゃらけた大ちゃんの言葉やから素直に嬉しかった。
可愛いって言われると照れてしまう。
それが大ちゃんにも伝わって、ふたりして顔を真っ赤にする。
大ちゃんって優しい。
知ってたけど、いつも笑わせてくれる人やから毎日一緒に居たら腹筋割れるかもせん。
「返事は待つけど、Aちゃんの気持ちを優先して。誰か好きになったらそいつと付き合えばええし、もし無理やったら俺の所に来て欲しい」
『大ちゃんって少女漫画に出て来そう』
「顔もかっこええもんな」
『ふふ、うん笑』
「笑うなや!」
大ちゃんは好き。
一緒に居ていい意味で気を遣わないで済むから。
好きだと言われたのは嬉しいし、私の事をそんな風に考えてくれるのも有難い。でも、狡いことはしたく無くて、幸せは歩いてこないなんて歌詞を唐突に思い出した。
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☆(プロフ) - 毎日更新楽しみにしていました!読み終わっても何度も読み直すほど好きなお話です(´ω`)続編だして欲しいな〜と密かに思っております...♡ (2023年4月9日 3時) (レス) @page41 id: b2a7d98e1c (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - とっても素敵な作品で一気読みしちゃいました(T-T)更新心待ちにしてます! (2023年4月6日 4時) (レス) @page39 id: 6089ae5abc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴぴ | 作成日時:2022年11月10日 21時