甘さ控えめに【橙】 (ページ7)

今日:6 hit、昨日:26 hit、合計:126,771 hit

7 ページ7

･

流石に気持ち悪いと思って

自分のほっぺを叩いて冷静を装う。

リビングに戻ると海斗くんはキッチンにいて、なにやら作ってる様子だった。

戸惑いながらも座ると私の前に置かれたふたつのマグカップ。ひとつは私のらしい。

「ホットミルク作ったから、良かったら飲んで」

『いいの？』

「うん、Aちゃんの為に作ったから(笑)」

1口飲んでみると温かくて、

ほんのり甘くてとても美味しかった。

私も作って飲んだりするけど私のより断然美味しい。

「美味しい？」

『うん！とっても！』

「よかった」

俺お風呂入ってくるからゆっくりしててね、

そう言って海斗くんはお風呂へと向かう。

男の人の部屋に普通にいて、しかもソファには海斗くんの友達がいるし、変な状況すぎる……、

･
･

『お邪魔しました、洋服は洗って返すね』

「別にいいよ」

『ううん、洗って返す！………そしたらまた海斗くんに会えるだろうし、』

朝、海斗くんは早めに仕事に出るそうで

そのお友達の宮近くんは私を見るなり驚いてたけど、昨日の出来事を思い出したらしく一応お友達という関係になった。

帰り際にそんな会話をして、自分でも気持ち悪いことを言ってる自覚はある。

でも、海斗くんに会いたいのは事実だし、

いいよね、大丈夫だよね、

「ふは……うん、じゃあ、また会える日楽しみにしてる」

「またねAちゃん」

くしゃって、

目尻が下がって笑うんだもん。

可愛くて、可愛くて、

好きって気持ちでいっぱいになる。

･
･

言葉を交わしていく度に海斗くんへの気持ちが増すばかり。

もう少しだけ、仲良くなれたらいいな、

彼の中で私の存在が『仲のいい友達』にレベルアップしたら、いいな。

･