甘さ控えめに【橙】 (ページ18)

今日:9 hit、昨日:21 hit、合計:126,887 hit

18 ページ18

・

昨日あった出来事を同期の子に話せば、うんうん、って優しく頷いてくれて

良かったね、幸せそう。そう言ってくれた。

けれど、話し終えたあとどこか浮かない表情を浮かべてる。

「そのさ、彼氏さんはダンスしてるって言うけど、ダンサーみたいなことしてる訳？」

『え、分かんない。ダンスしてるとしか聞いてない』

「……騙されてない？大丈夫？」

『何でそう思うの』

「不安にさせる為にこんな事言ってないけど、心配なの。騙されてないかとか、本当は怪しいヤツ何じゃないかって」

同期のミライは私よりも色々と考えてて、

ただ海斗くんといるだけで幸せだからそんな細かいこと何も考えてなかった。

でも、海斗くんは人を騙すようなそんな人じゃないと思う。すごくいい人って、宮近くんも言ってたし、それは私も分かってるし。

「Aは言ったんでしょ？なんの仕事してるか」

『……あ、うん、一応。栄養士の免許持ってて調理の仕事してるって、』

「そしたら、自分も仕事のことハッキリ言うでしょ」

『うーん…』

言われてみれば確かにそうだなって、

なんで言われないんだろう

隠したいことでもあるのかなとか、

私に言いたくないのかな、とか

不安がたくさん積もっていきミライの言ってる騙されてる、ってことが本当なのかもしれない。

……いやいや、絶対にない。

海斗くんに限ってそんな事ない。

「名前、なんて言うんだっけ」

『松倉海斗って言ってた』

「……あれ、その人どこかで聞いた気がする、」

『え～ミライの勘違いだよ。同じ名前の人なんて沢山いるんだし………私なら、大丈夫。幸せだから』

「Aがそう言うなら何も言わないけど……なんかあったらきちんと話してね」

海斗くん大丈夫、だよね。

何もないよね、

あんなキラキラした顔で話してくれてたんだもん。怪しいことなんて、何もない……はず、

･