【ヒプノシスマイク】 Why don't you come My Division? -2nd- 【短編集】

夢野幻太郎 × 隠れヤンデレ ページ4

「A、だよな？」

「あ、久しぶり！」

幻太郎の家に向かう途中で声をかけてきたのは、幼馴染の男の子。

もう男の子と呼べる年齢でもないかもしれないけど。



「お前、連絡してこいよ！」

「ごめんごめん。」

結構仲良くしていたので、連絡先もお互いに持っていた。

しばらく会わないうちに、気が引けてしまっていたのだが。



「どっか行くのか？」

「あ、えっと……」

「もしかして彼氏の家とか？」

簡単に見抜かれてしまい、言葉を失う。

「その反応は図星だな？」



「……A。」

背後から聞こえた声に、驚いて振り向く。



「なんだ、幻太郎か……」

この胸のざわつきは何だろう。

目の前にいるのは紛れもなく彼なのに、幻太郎じゃないみたいな……



彼はいつからそこにいたのか。

背中を冷たい汗が伝う。



「そちらの方は？」

「私の幼馴染！」

「こ、こんにちは。」

何故か彼の眼は怯えているように見えた。



腕をぐいっと引かれ、幻太郎と体が密着する。

「A、帰りますよ。」

落ち着いた、心地よい声が耳元で響く。

いつもの幻太郎だよね。考えすぎだよ私。



「じゃ、じゃあ俺はこれで！」

彼は逃げるように走り去って行った。



ふと視線を上げると、悪寒が走った。

幻太郎の眼は、光を映していないかのようだった。

恐怖に唾を飲み込む。



「小生の顔に何かついていますか？」

「ううん、別に……」

「それでは帰りましょうか。」

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