先生、恋ってなんでしょう２【短編集】

先生達だけの雑談 #加賀先生 #有栖川先生 ページ11

有栖川side


3時間目 ー職員室ー


加「俺、悩みがあるんだけど聞いてもらっていい？」

有「え、嫌なんだけど」

今は3時間目。他の先生は授業に行ってたりと職員室にいるのは俺と加賀だけだった。

特に仕事もなく暇な俺は目を閉じて寝ようとしていた。そこに加賀が肩を叩いてくる。


加「俺ね、ここにいつも飴ちゃん入れてるの」

有「……。」

そう言って加賀がいつも飴を入れている箱を見せてくる。

加「でもね、最近この飴ちゃんが無くなっている気がして…」

有「あー、気のせいじゃないの」

加「本当だよ！ほら、ね！？」

いや、最初見てないからどんだけ減ったか普通わからないでしょ。まぁ、いつも飴盗んでるの俺だからわかるんだけどさ。


加「どうしよう……オバケかな！？」

有「……俺寝ていい？」

加「有栖川く〜ん！もっと真剣に考えてよ！」

もう一度寝ようとすると肩を掴まれ勢いよく揺らされる。

有「ちょっと、うるさいんだけど。」

加「……だ、誰かに盗まれてるとか！？」

有「……！？」

加「……ん？」

思わず驚いてしまった。加賀のくせに鋭いな…。
ここは、奥の手を使うしかないか。

有「あー！そう言えば、Aが加賀の机にいるのをよく見るわ！」

……少し大袈裟に言いすぎたか？
いや、大丈夫。加賀なら…。


加「も〜！Aか〜！！」

有「よしっ！」

加「…よし？」

有「あ、いや、Aったら盗みはアウトだろ〜」

加賀の騙されやすさには本当に同情する。
そしてA、ごめんね。


キーンコーンカーンコーン


加「あっ、次授業だ！準備、準備〜」

授業の終わりのチャイムが鳴る。
それと同時に加賀は準備を始める。俺も準備しないと。

加「……じゃあ、有栖川くん！ありがと」

有「ん……あぁ、はい」

まだまだ時間はあるのに急いで職員室を出て行こうとする加賀。急いで出ていく時に俺の手を無理矢理掴み握手をする。

有「……バカ…だな…」


後日、二人が怒りながら俺の睡眠を邪魔してきたのは俺が加賀の飴を盗んだことがバレたからなのかはたまた、ただ俺が間違った情報を教えただけだと思っているのか……。

有「なんか…同情するわ」

加「『……なんですか！？』」

有「いや〜？」


end

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