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４ー１１ ページ40
「アイツはそんな事できる奴じゃない」
自身に羽織られた毛皮を握る
「それに寝静まるコタンによく忍び込んでこのチセでAと寝てたから分かる」
レタ(ラ)と過ごしていた日々
彼女はAの住むコタンの側にクチャを建てていた
それはレタ(ラ)が飼い犬になれない事を理解してか無意識かは定かではない
「誰かと接触していたのなら私がコタンにいない日を１回でも見ていたはずだ。私が押しかけて来るのは予測できないはずだから」
レタ(ラ)が去った日
父を失った事を思い出してしまった日
どんなに突然でも変わらずその背中があったのだ
「でもAはどんな時も必ずここにいた」
真っ直ぐ杉元を見つめる
「だから関係ないと信じたい」
「………わかったよ」
その瞳を見つめ薄く笑う
「相棒がそう言うんだから間違いないな」
決意したように立ち上がる
「どこに行くんだ？」
「Aさんに金塊の事を聞く」
「私も行くぞ」
「アシ(リ)パさんはおばあちゃんを遠ざけてほしい」
その言葉に軽く反応
「別に疑ってるわけじゃない。おばあちゃんの前じゃ話しにくいかも知れないから」
「……わかった」
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