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２ー１ ページ18
あれからどれくらいの月日が経ったのだろう
少なくとも５年
自分の住む時代ではないことを知るのにそう時間はかからなかった
単純にテーマパークと称するにはあまりに規模が大きすぎた
札幌から小樽へ
日本にこれほど活発で県規模の広さをまたぐどころか丸々テーマパークなんてものは存在しないことは無知な私でもわかる
北海道という土地に助けられた
初めは混乱したが人間やればできるものであっという間に慣れ今ではアイヌの生活を満喫
これは言いたくはないが現代での悲惨な生活のおかげだろう
今までの生活と違いがさらにアイヌでの生活を充実させていた
ウイルクさんから数ヶ月あらゆる事を教わりちょっとの狩り知識とほんの少しのアイヌ語を覚えた私は彼の元を離れ数年前から別の村…コタンで生活を送っている
と言っても彼の住むコタンとは近い距離にあるので会いたい時に会えた
寂しい気持ちはない
ではなぜウイルクさんと娘さんと同じコタンで生活をしなかったか
「A」
振り向くと白髪と口の入れ墨が目立つ６０歳後半の老婆
私がウイルクさんの元を離れた理由の１つは彼女だ
この人には身寄りがない
夫を早くに亡くし戦争で息子をヒグマで娘を亡くしたという
アイヌの人間は子供を誰の子でも大切に育てる風習がある
それは自分の為であり子供の為だ
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