眠り姫、誘拐。【ONEPIECE】 (ページ32)

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Episode 12 ページ32

泣き出した私を見て、ほかの全員の人達がオロオロとし始めた。それも申し訳なくて、なにか話さなきゃと声を絞り出す。

「……ごめん、なさい」

ようやく出たのは、謝罪の言葉だった。

「……私は、旅することは出来ないの、……ましてや海賊なんて、私は……なれない。」

「えー！！なんでだよ！！俺達の仲間になってくれたら世界中のおもしれーもの沢山見れるのに！！」

「すげーうめぇもんも食えるし！」「変な動物もいっぱいいるぞ！」なんて、やいのやいのと誘ってくるルフィさんは、なんだか可愛らしい。

そんなルフィさんを、オレンジ色の髪の毛の人…多分ゾロが言ってたナミさんが叱る。

「バカね！ルフィ！！こんな可愛い子が海賊なんかになる訳ないでしょ！しかもきっとまだ12.3歳ってとこよ？？それこそ親が許すわけないわよ！」

「……私には、両親も、居ないから」

ナミの言葉にそう返すと、すう、とその場に静寂が訪れる。「そうなの…」というナミの声だけが雪の中に沈んだ。

かと思えば

「なら丁度いい！！しかもトナカイと友達なんだろー！！俺あいつも誘ってくる！！！」

にししし、と笑ったルフィ。
あっけらかんとした態度にその場にいた全員呆れ顔だ。けど、この底抜けの明るさが、この一味の船長が持つ魅力なんだろうなと思う。