眠り姫、誘拐。【ONEPIECE】 (ページ30)

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Episode 11 ページ30

「いい夢だなァ！それ！！！」

にしし、と笑って、船長さんは言った。
こんな時代に、しかも、私みたいな大した能力も知恵もない子供の女が、『海を渡って世界を見たい』と言うことが、どれだけ無謀で馬鹿なことかなんて、

普通の人は皆分かる。
でも、この人は、私の絵を褒めてくれただけじゃなくて、私の夢を「良い夢だ」と言ってくれた。
思わず涙が出てしまいそうなその言葉に胸が震える。

思わず見上げたゾロさんは、「言った通りだろ」って不敵に笑った。海賊なんかクソ喰らえ、だったゾロさんが、この船長さんに出会って海賊になってしまった気持ちが分かってしまうのが憎らしい。

私はこの時既に、この人の冒険譚を書けたらどれだけ楽しいだろうか、と、
見たことも無い外の世界と、
見たことも無いこの海賊団の冒険に思いを馳せてしまっていた。

でも、私にはその冒険を一緒に見ることは出来ない。だから少しでもそれを知るために記録を読ませて貰うんだ、と、言い聞かせようとしたのに。

「なぁ！A！！じゃあお前も俺たちの仲間になれよ！！！」

あっけらかんと、そんな事を宣うのだ。

「俺達の冒険譚、書いてくれよ！！！！」