眠り姫、誘拐。【ONEPIECE】 (ページ18)

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その言葉に嘘は無いのだろう。ただ、彼女の夢に影を落とす憂いの原因がなんなのか、少しだけ気になった。他人が口を出す話でも無ければ、根掘り葉掘り聞くのも野暮だ。わざわざ語られなかった部分を追及する必要は無い。と割り切る。

と同時に、うちの船長ならなんて言っただろう、と。すこしだけ、そんな妙な期待を抱いた。

「……お前、物に触れて色んな世界の記録がみたいんだろ？それは触れるだけで見れんのか？」

「はい！ほんの一瞬触れるだけです」

「……さっき、もっと色々な記録を見たかったって言ってたよな」

それはさっき、船員や旅ことを話している時にAが言った事だった。

「うん、もっと色々触れたら他の島の記録とかも見れたかなぁって」

「じゃ、後でメリー号に乗せてやるよ」

「……っえ？… え、え、ほんと？ほんと？」

「あぁ、その代わり、」

何がそうさせたのかは分からない。
深い考えも無かった。ただ、短絡的に、気付けばそう提案していた。

「あの絵、俺にくれよ」

Aに少しでも外の世界を見せてやりたくなった。そして、
あの絵を、Aの描いた“俺たち”の絵を、ほかのクルーにも見せたくなったのだ。