衣更先輩に〇〇したい！【衣更真緒】 (ページ28)

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衣更先輩に期待しちゃう！ページ28

IN 食堂

教室に帰ろうとしたがやっぱりお腹はすいてるし、グーとお腹の音がなってしまったので、仕方がなく食堂に来た。

昨日衣更先輩と一緒に食べたナポリタンを頼んだ。

ナポリタンを受け取り、あまり人が密集していない席に移動してそこに座った。

『いただきます。』

フォークを使って麺を巻き取り、それを口に運ぶ。

『1人ってこんなに寂しいんだ･･････。』

ほぼ無の状態になって、機械のように麺を巻き取って口に運ぶを繰り返す。

(食事って、こんなにつまらない物だっけ。)

そのナポリタンは味がしなく、いつもうるさいはずの周りの人達の声や音が聞こえなかった。

私1人だけが、どこかに取り残されているようだった。

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無心で食べ続けていると、皿はいつの間にか空になっていた。

時計を見てみると、かなり時間が経っていたようで、授業開始のギリギリだ。

『えっ、ヤバっ！』

急いで皿をさげ、走って教室まで向かう。

『やばい、遅れちゃう･･･！』

廊下を走っていると、衣更先輩とすれ違った。

衣更先輩と目があった。

が、時間がないというのと、食堂に行く前に見た光景が忘れられなくて今は話したい気分じゃなかったので、そのまま走り去った。

一瞬だけ、衣更先輩が悲しそうな顔をしていた。

(そんな顔しないでくださいよ。嫌でも期待しちゃうじゃないですか･･･。)

走り続けていると、時間ギリギリで教室に着いていた。

(いつもだったら時間がなくても、立ち止まって衣更先輩に話しかけてたのにな。)

自分の席に着き、次の授業の用意をする。

鞄の中を漁っていると、司くんが話しかけてきた。

司｢何かありましたか？｣

『ん？何もなかったけど･･･。何で？』

司｢いえ、少し複雑そうな、悲しい顔をしていたので。｣

ビックリして目を見開く。

『え、嘘。私そんな顔してた？』

司｢はい。･･･もしかして、衣更先輩と何かありましたか？｣

『ううん、何もないよ！』

司｢本当ですか？｣

『本当本当！』

司｢ならいいのですが･･･。困った時はいつものように相談してくださいね？｣

『うん、ありがとう。』

先生が教室に入ってきたのと同時に、黒板の方に顔を向けた。