衣更先輩に〇〇したい！【衣更真緒】 (ページ11)

今日:1 hit、昨日:22 hit、合計:29,059 hit

衣更先輩に数学を教えてもらいたい！ページ11

授業も帰りのHRも終わり、放課後。

私は急いで2ーBに向かった。

廊下を走っていたため、途中でたまたま廊下にいた蓮巳先輩に怒鳴られたような気がしたが、スルーした。

教室を覗いてみると、まだチラホラ人が残っていた。

『あの、すいません！』

いつもより少し大きな声で言うと、緑色の瞳がこちらに向いた。

ドアの方まで歩いてきて、

衣｢おぉ、どうした？｣

と声をかけてくれた。

『本当に何回も、唐突ですみません。』

深呼吸をして、口を開く。

『私に数学を教えてください！』

衣｢今日の放課後何かあったっけな･･･？｣

うーんと考えている。その姿でさえカッコイイ。

衣｢特に何もないからいいぞ！ほら、教室入れよ。｣

『ありがとうございます！このご恩は一生忘れません！！』

衣｢なんだそれ。｣

ハハッと笑う衣更先輩にキュンとしてしまう。

衣｢はい、ここの席使ってくれ。｣

椅子に座ると、衣更先輩が机をくっつけてきた。

肩と肩が触れそうなくらい近くて、心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと思う。

(すごい漫画みたいな展開･･･。)

衣｢で、どこが分からないんだ？｣

『えっと、ここなんですけど』

教科書とノートを開き、指を指す。

衣｢どれどれ？｣

衣更先輩がこちら側に身を乗り出したため、一気に顔の距離が近くなる。

(あ、もうダメだ。死にそう･･･。)

衣｢あぁ、これか。これはな、｣

問題の解き方を図に書き込みながら説明された。

『おぉ、分かりやすい！さすがですね！』

衣｢どーも。まぁ、ここは難しいからできなくても心配すんな。｣

『そうなんですね。』

衣｢教科書のこの問題、今のやつと似たような問題だから、少しやってみろ。｣

『了解です、衣更先生！』

衣｢誰が先生だ！｣