【僕のヒーローアカデミア】命懸け少年 Part4 (ページ8)

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サラバ、悲しき運命の人ページ8

治｢話は終わりだ…もう帰れ。渡我と分倍河原は早急に来向かわせろよ。｣

死｢おいおい若頭急にゴキゲン斜めだなぁ。マジで何？気になるじゃん｣

入｢帰れっつってんだろーが！｣

ミミックさんはドスの利かせた声で弔さんに命令した。小さな体から丸太みたいな腕を出し此方に近づくのを阻止している。それを他人事のようにぼんやりと見ている廻輪に治崎は小さく舌打ちをし、隣に来た。

死｢腕無しくーん俺ん所来いよ！一緒にゲームしようぜー…あ、手ぇ無いから無理か！｣

太腕越しにケラケラと笑う彼は僕が僕である事に気付いていないことを知った。それは、廻様も同じだった。

だから、意地悪く、顔を歪ませた。

腰を抱かれる。まともにバランスの取れていない身体は簡単にその胸元に倒れた。

治｢そんな意地汚い事言うなよ…コイツは、俺の大切なパートナーなもんでな。｣

''俺の''をやけに強調させる。その言葉にピクリと眉を顰めた弔さん。正確には手の下に隠れているからわからないが、多分そうした。

死｢あっそ…つかお前、ケッペキじゃなかったか｣

治｢コイツだけは症状が出ない。ま、運命で繋がれているからだろうよ…｣

歯の浮くようなこの人のセリフに弔さんはうげと言った。

死｢…んじゃ、いーわ。他のヤツもどうせ手放さないつもりだろ。俺等も、肉壁は要らねぇしな。｣

弔さんはくるりと扉の方へ向かう。あぁ、離れてしまう。居なくなってしまう。僕は、その背中に手を伸ばした。しかし触れる事は叶わなかった。そこには、何も無いから。

扉は、ゆっくりと閉まっていった。

最後、彼は此方を振り向いた。

目が、合った。

これは、僕等にとって最後のチャンスだったのだろう。

治｢…呼ばないのか？｣

小さく聞く。わかってるくせに。

貴｢…はい。｣

返事は扉の閉音に潰されて消えた。

…

渡｢あ！おかえり弔くん！｣

死｢お前…とお前、奴等の所に向かえ｣

ト｢俺も！？｣

渡｢何でですか！｣

死｢提携条件だよ…別に気に入らない事があれば殺せばいい。そしてアレ(･･)を奪えばいい。｣

アレとは例の弾丸。つまり死柄木は離れ離れになった愛する者の願いを叶える為に動いていたのだ。このやり方に希望は無い(･････)と知らずに。

渡｢弔くんが言うなら仕方ないです…仁くん行きましょう｣

ト｢行きたくねぇ行っくぜー！｣

死｢おい待て｣

渡/ト｢？｣

死｢お前等…腕無しの奴を探っておけ｣

その言葉は、何を意味するか。