⑴問:あなたを笑顔にする方法--Albedo ページ2
「はぁ〜っ……」
「もう、今日で30回目のため息だよ。それ、アルベドの前で見せれるの？」
「無理だよ〜！ でもつかずにはいられないじゃんか！」
私は異邦人──空に茶会の相手をしてもらいながら、机で伸びているところだった。
ここはじんかつぼ……というところらしい。なんでも璃月に由来があり、仙力でうんたらかんたら……という話をアルベド経由で聞いたことがある。
ぶっちゃけ、私は武闘派(正しくは脳筋)なので難しいことはよく分からないが。
「まぁね。どんなサプライズをしても、アルベドの表情はあまり変わらないから……やっぱり恋人としては悲しい？」
「当たり前でしょ！」
私は勢い任せに机を叩きながら立ち上がった。旅人はビックリしたようだが、構わず続ける。だってなにか喋らないと涙でも出てきそうだから。
「誕生日だからってプレゼントを用意しても、頑張ってご飯を作って待ってても、ありがとう嬉しいよって言うだけで表情ひとつ変わらないんだもの！
「そのくせサプライズはしたがるし？ 早く帰ってきてくれたり、お菓子をくれたり、エンジェルズシェアに連れて行ってくれたり……そりゃ嬉しいよ！？ 嬉しいに決まってるじゃんだってデートみたいなもんだもん！！ でもさぁ〜！」
「Aはアルベドが笑ってるところが見たいんだよね」
「そう！！ 旅人は私の事よく分かってるね〜！」
良き理解者がいてくれる事を私は何よりも誇りに思う。旅人は将来、いい旦那さんになるだろう。私が保証する。
そう、私はただアルベドに笑っていてほしいのだ。アルベドの偽物が出たとアンバーから聞き、よく分からないままドラゴンスパインに駆けつけて……。
そのときに旅人と聞いたアルベドの過去は生涯忘れられないだろう。
だって、あんなのあまりにも酷すぎるのだ。アルベドは沢山の別れを経験して、それでもまだ別れを告げようとしている。そんなの悲しすぎる。私がモンドでぬくぬくと育ってきただけで、ああいう経験は普通のことなのかもしれないが。
「旅人、私だって西風騎士の一員なんだよ。一応遊撃隊の副隊長なんだよ」
「そうだね、副隊長は一応じゃないと思うな」
「西風騎士の務めってさ、モンドの平和じゃん」
「そうだね」
「じゃあさ！ アルベドを笑顔にするのも任務の一環だと思わない！？」
「……うん？ うん……。え？ そうだね？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 179人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原神」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
