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岩泉さんと会ってから
体育館に入る勇気が無く、
昨日は結局家に帰った。
どうしようも無くヘタレな私に嫌気が差す。
「なぁ、昨日帰ったのって、
もしかして岩泉さんと何かあったから？」
朝練を終えた矢巾が、挨拶を通り越して聞いてきた。
私の泣いた目が腫れているのを見て、
確信したのか「やっぱり…」と口を零す矢巾。
「昨日岩泉さん、すっげぇ調子悪かったんだよ。
ミスなんか連発だし、何も無いトコで躓くし」
「そ…なんだ」
岩泉さんがミスなんて、らしくない。
「松川さんがどうしたのか聞くと、
Aが…って零してたんだよ。
A、中々体育館に来なかったから、
もしかしてと思って…」
「入る直前に岩泉さんと会ってね…」
一週間サボったこと謝ったら、当然怒られて。
来なくていいって見放されて…。
昨日起こったことを矢巾に話す。
「何も言うことが出来なくて、
そのまま帰っちゃった」
嘲て笑う私を矢巾は真剣な顔して見る。
「今日は、もう行かないのか？」
「…今更、どの面下げてって感じだよね。
私みたいな中途半端な奴が
選手のサポート出来るわけないし、
もういっそ、退部しちゃおっかなって」
私がそう、言いかけた時
矢巾が私の頬を勢い良く両手で挟んだ。
バチンと音が鳴り、頬にはヒリヒリと痛みを感じる。
「ネガティブ禁止！！」
思ったよりも大きな声で、教室はしんとした。
私達の変な光景に面白がってまたすぐザワつくが、
矢巾はお構い無しに続ける。
「いいか？岩泉さんは確かに怒ったし、
『来なくていい』って言ったかもしれない。
でも内心来て欲しいって思ってる。
岩泉さんだけじゃなくて皆。勿論俺も。
…A、全然頼ってくんねーから、
俺らAが来るの待つしかねぇんだよ。
サボったとか今更とか考えなくていい。
きついことがあるなら、俺らに分けてくれ」
教室からは冷やかすような声。
言い切った矢巾は私の頬から両手を離し、
「うっせぇ、こっち見んな」と野次馬を追い払う。
「矢巾、ありがと…」
今日、行ってみる。
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夜桜伊織(プロフ) - ハルさん» わっ、1年も経つんですね！？そう言って頂けて凄く嬉しいです！！ (2020年6月4日 0時) (
レス) id: 022836b4c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 一年越しで本当に申し訳ないんですが、この作品すごく好きでした！！！ (2020年6月3日 14時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜桜伊織 | 作成日時：2019年5月23日 20時
