罠の時間 ページ27
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今の今まで気が付くことのできなかった「真実」に、鬼道は取り返しのつかない自分の判断ミスを悔やんだ。
「雷門は体力を温存していたんだ」
「バカな！あそこまで俺についてきた雷門が、温存できていたはずがねえ!!」
星章は灰崎を中心に攻撃を行うためにゾーンプレスをかけていた。それに明日人が食らいついてきた。しかし、それこそが雷門の作戦だとするならば…？遠回しに言う鬼道に「分かりやすく言え！」とキレた灰崎。鬼道は名探偵さながら、推理を披露した。
「シフト制なんだ。お前達FWには稲森を含めた4人でマークでついていた。この試合、攻撃時にはあらゆるシーンで稲森vs灰崎の構図が軸にあり、その周囲に複数の選手が絡んでいたが……稲森を意識するあまり、その他の選手の動きを見落としていたんだ」
「なんだと？」
鬼道の推理が、核心に迫る。
「稲森のポジションはどこだ？」
「FWだろ」
「そのFWの稲森はディフェンスに降りてきた。では、FWのポジションには誰がいたんだ？」
「……！？」
ついに、灰崎が雷門の罠に気づいた。
「趙金雲は前線に3人の選手を残し、残りのメンバーでお前の攻撃を防いだ。FWの稲森がディフェンスに回っていたため、全員攻撃・全員守備のイメージを持ってしまった。だが、実際そんな動きをしていたのは稲森だけで他のメンバーはシフトを組んで体力を温存していたんだ」
雷門イレブンが試合の初めから仕掛けていた罠・人生はロールプレイング大作戦が暴かれた瞬間だった。しかし、気づいたところでどうすることもできない。もう星章イレブンの体力はかなり減っているのだから。
灰崎は疑問を抱く。
「だとすると、稲森は……！？」
「おそらく、あいつだけは体力の限界をすでに超えているはずだ。」
灰崎の目に、汗だくになって荒い息をする明日人の姿が映った。鬼道は認めた。自分たちは明日人に……趙金雲にはめられたのだと。
「クソオォォッ！稲森ィーーーッ!!」
今回の作戦も、その前の作戦も、全て趙金雲が仕組んで立てた作戦であった。2人の目にはもう明日人と趙金雲しか映っていない。
「……………………」
プライドをぼろぼろに引き裂かれた灰崎と、やられたと悔いる鬼道。
その2人を静かに見ている…星章が本当に警戒しなければいけない人物はふわりと笑った。
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イマツギ(プロフ) - 続きが楽しみです。お時間があれば更新頑張ってください！ (12月13日 20時) (
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作者名：ルナ | 作成日時：2024年11月11日 20時
