元花柱の女の子

20話 ページ23

虎「この遺体持って帰る。あの人の子供だ。顔はそんなにやられてない。」



釘「でもっ」




虎「遺体もなしに死にましたじゃ納得できねぇだろ。」



ごめん、虎杖さん。



「…」ｸﾞｲｯ



虎杖さんの服を引っ張った。



「置いて行くよ。あと2人の生死を確認しないといけないんだから。任務の内容を忘れないで」




虎「振り返ったら道が分かんねぇんだぞ？後で戻る余裕なんてないって」




「じゃあ、特級に遭遇した時あなたは遺体を抱えて戦うの？それに、私置いて行くよって言ったんだけど」



伏「そうだ、ただでさえ助ける気のない人間を死体になってまで助ける気はない。」



今にも殴りそうな勢いで伏黒さんの胸ぐらを掴もうとしたけど、私はそれを阻止した。



虎「2人揃ってそれはどういう意味だ。」




…怒ってるな。でも、これが本当の一般人なら別だよ。



でもここは…


伏「ここは少年院だぞ。呪術師には任務前にあらゆる情報を事前に教えてくれる。」



「…その人、無免許運転で下校中の女の子はねてるんだよ。しかも2度目の」



虎「！」



「虎杖さん、あなた大勢の人を助けて正しい死に導くことに拘ってるけどさ…助けた人の中に将来人を殺したらどうする？切腹して詫びたりするの？」




虎「じゃあ、なんで俺を助けたんだよ！」




「私、あなたを助けた覚えなんてない。宿儺の器になったあなたは処罰すべきと私は言った。」



虎「っ…」




言い過ぎたかな…



ううん、これぐらい言わないとダメだ。




釘「いい加減にしろー！たく、時と場所をわきま──」ﾄﾌﾟｯ



釘…崎さん？


伏黒さんが何か言ってるけどそんな余裕はない。


真横に呪霊がいるのだから…


私の反応からワンテンポ遅れて2人も反応した。



「何ぼーっとしてるの！動きなさい！」



「「！？」」



動きが鈍い……！





虎「うあ゛ぁああ！！」




『ちょっ！今攻撃してもっ……！』




虎杖さんは右手首から上が切れてしまった。





「…私がここを引き受ける。2人は釘崎さんを連れて逃げて。」



伏「でもっ！」



虎「ここまで近づかれたらもう逃げられねぇ。俺が死んだら宿儺も死ぬんだろそれが嫌なら協力しろ！」




どうする…？特級は1度しか戦ったことない…。

しかもボロボロにやられながらやっとの思いで祓えたのだ。



今の私はちゃんとできるのか…？師範ならどうしてる…？



動揺が止まらない。



煉獄さん…どうするのが最善…？

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