拒絶 伊作side ページ17
彼女は泣き叫び、怒りを吐き散らした。
傷だらけの体が、水に浸る事を全く気にしないで。
貴女「お前たちもだ」
怒りの矛先がまた僕たちへと向く。
.
貴女「何が天女だ、何が学園だ。お前たちで好き勝手にやってろよ。
天女になりたくてなった訳じゃない。ここにきたかった訳じゃない。
私が何かを望んだ訳じゃない！！
お前たちの問題だろ！お前たちで解決しろよ！！！！
'
勝手に私を決めつけるな！！！！
天女なんかと一緒にするな！！！！！！！」
感情をおもむろに吐き出し、子供のように泣き喚く彼女を誰も止められない。糾弾できない。
僕たちは彼女に酷いことをしたから。
止める権利も、それを否定する権利もない。
.
雑渡「落ち着きなさい」
雑渡さんがそう言っても、彼女は止まらなかった。
数珠を握りしめ、荒く息をした。
貴女「うるさい……！私に指図するな！！利用しようとするな！！」
雑渡「違う。私たちは君を利用しようとなんてしていないよ」
貴女「ッ、もう、いないんだよ」
彼女は顔を上げた。
怒りよりも絶望よりも、何よりも悲しみが勝った顔をしていた。
貴女「アンタたちがどれだけ弁明しても、私と和解しても、もうアイツはいないんだよ……！！！」
ぼろ、と涙をこぼしたその表情は、大切なものを失ったときにするもので。
貴女「もういないから、あの子に謝りたくても謝れないんだよ……！！
あんなに私のことを思ってくれてたのに、私は…………ッ、ゔ、」
蹲り、泣き出した彼女。
顔を覆う手の隙間から、大粒の涙が溢れては水面に落ちて、冷たい水に混じって消えていく。
何が起きたのかも、わからない。
『この女』『神もどき』『アイツ』『あの子』
僕たちの知らない物語がそこにあった。僕たちが知ろうとしなかった世界がそこに広がっていた。
その中心で慟哭する彼女は、確かに僕たちの事を想っていたのだ。
泣き喚く彼女を、雑渡さんが何も言わずに背中を撫でた。嗚咽を漏らす彼女の痛々しい姿を、誰も直視しようとしなかった。
直視できなかった。その姿は、自分の大切な人に、自分たちに重なっていたから。
.
これは罪だ。
.
彼女の差し出す手を拒絶した。
.
彼女自身を見ようともしなかった。
.
.
彼女を傷つけた、僕らの罪だ。
.
.
★────────────☆
そんなに引っ込んでないで！！
コメントくれ！！！！
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 490人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柑橘 - この作品が一番好きなんです！いつか最新される日を願っています…！ (3月13日 15時) (
レス) id: 9eaae6032f (このIDを非表示/違反報告)
もち米マン(プロフ) - 更新がありますように…！(*´･ω･) (6月11日 3時) (レス) @page26 id: 483e70a4e0 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん - 更新待機中(*・∀・)つ (5月24日 21時) (レス) @page26 id: 407aeb7a76 (このIDを非表示/違反報告)
光陰矢のごとし(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。個人的に天女ものが大好きでこの作品を読ませていただきましたが、とても読み応えがあって、続きが気になります笑これからも更新頑張ってください！！ (2023年1月2日 22時) (レス) @page26 id: 04bb5063ad (このIDを非表示/違反報告)
にょきにょき(プロフ) - コメント失礼します。3回ほど読み返しましたが設定から内容ストーリーも新鮮で斬新でとても好きです。下級生、くのたまちゃん達が好きなので読んでいてとても嬉しい？わくわくしております！主人公ちゃんには幸せになって欲しいと思いましたね← 更新応援しております！ (2022年9月25日 9時) (レス) id: 7282b40af5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅葉夜月 | 作成日時：2022年1月7日 1時
