35 ページ35
警報が解除されたのは、それからしばらく後だった。
《セキュリティレベルを解除します》
《繰り返します――》
校内に張りつめていた空気が、ようやく緩む。
教師たちの指示のもと、生徒は順次教室へ戻され、
点呼と簡単な確認が行われた。
そして――その日の“公式な結論”。
侵入者:マスコミ関係者
目的:雄英内部の無断撮影・情報収集
被害:なし
職員会議でそう報告され、
そのまま事態は収束したことにされた。
「最近はどこも必死だからな」
「警備が強化された証拠だろう」
教師たちの会話は、表向きは穏やかだった。
オールマイトも、生徒たちの前では明るく振る舞う。
「皆さん、怖かったでしょうが、もう大丈夫!
雄英の防犯体制は万全ですよ!」
笑顔。拍手。安堵の空気。
――だが。
校舎の廊下、少し離れた場所。
相澤は、壁にもたれたまま、腕を組んでいた。
(……マスコミ、ね)
彼は、報告書に書かれていない“違和感”を捨てきれずにいた。
警報の鳴り方。侵入経路。
そして――(屋上)
あの場所に、偶然マスコミが紛れ込むか?
視線の先。少し離れたところで、が歩いている。
いつも通り、気だるげで、面倒くさそうな足取り。
周囲と変わらない、普通の生徒の顔。
――だが。
相澤は見ていた。警報が鳴った瞬間の、あの女の目を。
(……あれは、
“巻き込まれた側”の目じゃない)
一方。Aは、何事もなかったように欠伸を
噛み殺しながら歩く。
(マスコミ、ね)
(便利な言葉だこと)
フェンス越しに見た、
白い髪と、手と、黒い闇。
(あれを記者で済ませるなら、この学校、相当おめでたい)
口には出さない。誰にも言わない。
ただ、胸の奥で、静かに確信していた。
(……次は、もっとちゃんと来る)
表向きは“日常”に戻った雄英。けれど、
その裏側では、確実に――何かが、雄英を見つけていた。
そしてそれは、もう目を逸らすことを許さない段階に
入っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 304人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鈴カステラ(プロフ) - Muさん» ご指摘ありがとうございます!直しました! (1月17日 22時) (
レス) id: 4bba896066 (このIDを非表示/違反報告)
Mu - すいません七話でした (1月17日 22時) (
レス) @page7 id: 5ef27b7515 (このIDを非表示/違反報告)
Mu - すみません。八話の最後の当たりリリカになっているんですけど、、 (1月17日 22時) (
レス) @page7 id: 5ef27b7515 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - 神作をありがとうございます!更新待ってます! (1月14日 13時) (
レス) @page28 id: 48c0cfb182 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鈴カステラ | 作成日時:2026年1月5日 19時


お気に入り作者に追加


