2人の友達 ページ2
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「Aさんのせいでさっきの僕まで怒られたじゃん。」
「だからごめんって何回も言ってるんですけど…」
さっきからチョロ松くんと教室に戻りながら、この会話を何回も繰り返している。
ちゃんと謝ってるんだけどなぁ……
「……ふふっ、うそだよ。もう許してるから」
「………チョロ松くんって、そういうことする人だっけ」
「僕でもするよ？たまにね。」
少し笑ったかと思えば、許してるって言われて、チョロ松くんに振り回されてたんだと悟る。
こういうことするタイプじゃないと思ってたんだけどな…
「たまにね。」と言ったチョロ松くんの顔は、どこか楽しそうで、まぁいっかとあまり気にしないことにした。
「あ、僕ここだから。またね」
「うん、またね」
2-Bと書かれた教室の前でチョロ松くんと別れ、私も真っ直ぐ自分の教室へと向かう。
なんで私の教室はこんなにも遠いのか……
廊下は5分休み中のせいか、何人か生徒が立ち話をしていたり、歩いていたりしていた。
やっと2-Fと書かれた教室まで辿り着き、前のドアを開ける。
教室内ももちろん、クラスメイト達の話し声で溢れかえっていて賑やかだった。
「Aちゃんお疲れー」
「ありがとう、トド松くんもお疲れ様」
自分の席に座ると、いつものように前に座る彼、トド松くんが体をくるりとこちらに向けてきた。
名前のとおり、トド松くんとチョロ松くんは兄弟。しかも六つ子の。
チョロ松くんから聞いた話によると、チョロ松くんは三男、トド松くんは末っ子という兄弟設定らしい。
別に六つ子なんだからそういうの気にしなくてもいいと思うんだけどな。
「案の定、あの校長先生の話長かったね〜」
「ほんっとそれ！あれはいくらなんでも長すぎでしょ！第一、新入生に向かって言う事そんなにある？！まだわからないことだらけなのに、一気に言ったら困るってなんでわかんないのかな？！」
「はいはい、まずは一旦落ち着こうAちゃん。」
新入生歓迎会の時の校長先生について話をされたせいか、一気に思っていたことがポンポンと口から溢れ出てしまった。
それをトド松くんが慣れたように宥めて静める。
なんでかな、やっぱりトド松くんと話してるといつの間にか気が緩んじゃうや…
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作者名：れな | 作成日時：2019年3月14日 7時
