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彼は半袖の白いパーカーのチャックを開け、中は松マークがついた赤いTシャツ、下はジーンズの裾を少し捲り、靴はビーチサンダルという夏ではよく見かける格好をしていた。
かっこいい。とかは言う必要ない、よね。
別に言うつもりも予定もなかったからいいんだけど。
空が茜色に染まっていく中、2人並んで神社まで向かう。
隣を小学生くらいの男女3人が走って通り過ぎて行った。
「元気でいいね〜」
「そうだね」
「小学生の頃のAちゃん見てみたかったなぁ」
「え、見てもなにも面白くないよ?」
「いや、絶対可愛いはずだから」
答えになってないようで、ちゃんと理由にはなってるからこの後なんて言えばいいのかわからなくなる。
彼の小学生の頃の姿はどんなだったんだろうか。
可愛かったのかなぁ…
きっと弟さん達と一緒に笑いあって、ふざけあって、イタズラとかもしちゃって。
楽しそうな姿がポンポン浮かんでは消えていった。
「もうすぐかな」
「うん」
「このお祭り、Aちゃんと来んの何年ぶりだろ」
「んー、3年ぶり、かな?」
最後に行った時のことを次は頭の中で思い出していく。
あの時は2人だけじゃなくて弟さん達も一緒で、すごい賑やかだった気がするなぁ。
「今回は静かなお祭りになりそうだね」
「……そうだな」
祭り独特の音楽と、賑やかさ、明るさがだんだんと近づいてくる。
今日はいつもと違って、彼と楽しむことだけを考えよう。
私のペースに合わせて歩いてくれている彼にまた心臓が痛みつつ、ギュッと赤色の巾着の紐を握って鳥居を潜った。
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れな(プロフ) - しっぽうさぎさん» 素敵な感想ありがとうございます!とっても嬉しいお言葉ばかりで…書き手冥利に尽きます´ `* これからもまったり更新ですが最後までよろしくお願いします!高校時代はまだ公式さんから何も言われてなかったので、自由に想像しながら書けてたんですけど…焦ってます;; (2019年2月16日 9時) (レス) id: f22e3e55d7 (このIDを非表示/違反報告)
しっぽうさぎ - 読み始めた瞬間『あ、この作品好きだ。』と感じました。久々の感覚と、久々に好みな作品を見つけられて最高に嬉しいです。関係無い話ですが、私も前におそ松さんの学生ストーリーの作品を作って、あら公式と違うわとなりました。…共感です。笑 (2019年2月14日 18時) (レス) id: dc9d359d93 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 来夢*゚さん» 初めまして。素敵な感想ありがとうございます!キュンとくる内容になってるか微妙だったのでそう言って貰えてとても安心してます。のんびり更新な感じではありますがどうぞ最後までお付き合いよろしくお願いします ^ ^ (2018年5月6日 6時) (レス) id: f22e3e55d7 (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - 初めまして。学生特有の甘酸っぱい恋物語に当方毎回楽しみにしながらキュンキュンさせてもらってます(〃ω〃) これからも頑張ってくださいね。応援してます! (2018年5月5日 16時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
万珠沙華(プロフ) - レスありがとうございます!! (2018年4月22日 20時) (レス) id: a8300dcf2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れな | 作成日時:2018年4月19日 19時