【おそ松さん】蝉時雨と畢り。

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1学期の終わり、終業式。

明日から夏休みということもあってか、クラスメイトも、他学年の生徒も、皆完全に浮かれていて、空気がいつもと違っていた。


長い長い終業式が終わって体育館から戻ってくる間も、周りは夏休みに何をするか聞きあったり、一緒に遊ぶ約束をしていたり、と話し声で溢れていて騒がしい。


たった1ヶ月の夏休み。されど夏休み。

今年の私の夏休みは、どんな感じになるのだろうか。




「Aちゃーん！」




1人ボーッとそんなことを考えていれば、突然後ろから馴染みのある声に呼ばれて振り返る。

軽く走って来る彼の姿はまるで小学生みたいで、思わずクスリと笑ってしまった。




「なーに笑ってんのぉ？」

「ううん、なんでもないよ」

「うっそだー！」




「絶対なんかあった！」と言いながらグイッと顔を近づけられて、思わず息を呑んだ。

ちょっと、いや、かなり近いかな。うん。




「あの、離れてくれません？」

「教えてくれるまで離れねぇから」

「…………はぁ、わかった」




お互いの鼻がくっついてしまうのではないかと心配になるくらい顔が近いまま理由を話す。

これくらいでこんなことする彼はほんと、もう、、




「______、それでつい笑っちゃったの」

「…………はぁぁぁ」

「、、ため息大きくない？」

「……聞かなきゃ良かった」




小さく最後にそう言うと、彼はズルズルとしゃがみこんだ。

どこか痛むのかな……？

私も不思議に思って一緒にしゃがむ。


もうすっかり生徒はいなくなっていて、1階の廊下には私と彼しかいない。




「大丈夫？どっか怪我したの？」

「…………可愛いのはお前だっつーの」

「え？なんか言った？」

「……なんでもねぇよ、バーカ！」



バチッ



「いったぁ……」

「てか、カッコイイだから俺は！」




突然バカと言われて、おでこにデコピンも食らって、なぜか怒られて。

結局彼は何がしたかったのかさっぱり分からなかった。

というか、バカって……なんで？


「早く行かねぇと遅れるぞ〜？」とニヤニヤしながら、彼はそんな私を置いて先を歩いていった。

こんな状況にしたのは誰のせいですか。




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