～臆病者～【炎のゴブレット】 (ページ5)

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5. 冷酷な才色兼備ページ5

宴が終わり、Aとリサイディアは沢山の男子生徒に囲まれていた

m「2人ともダームストラングなんて男ばかりの学校に行ってるんだね！大変じゃない？」

ｻﾅ「全然大変じゃないわ、笑」

m「可愛くて頭もいいなんて凄いや！」

ｻﾅ「あら、ありがとう♪」

リサイディアは男子生徒の話に耳を傾け、ちゃんと返事をしているが、Aは男子生徒をフル無視

m「Aはこんなに小さいのにシーカーとしての実力があるんだろ？」

m「僕の妹くらいしか身長が無いなぁ、笑」

ある男子生徒がAの頭をポンポンと叩いた

『……触るな、汚らわしい』

m「え？」

『触るなと言っているのが聞こえないのか』

ｻﾅ「A！そんな事言っちゃダメ、！」

『さっきから不愉快だ』

m「え、なになに、怖いんですけど、笑」

Aは男子生徒を冷たく睨み、輪の中から1人出てきた、そして1人で学校の廊下を進んでいった

ﾄﾞﾗ「……あいつ、校内の道分からないだろ、！」

1人でズカズカと誰もいない廊下を進むAが、何故か心配になり後を追いかけた

少し追いかけると、前を歩いていたAが立ち止まり、その場でしゃがみ込んだ

僕は咄嗟に隠れて、Aの様子を見ていた

『……うぅ、怖かったよぉ、何であんなに囲まれなきゃいけないの、男の人はケダモノなんだぞ、』

あれがさっきまで男を冷たく見ていたAなのか？まるで小動物の様に小さく丸まっている

ﾄﾞﾗ「A」

『……ど、ドラコ、！』

Aは僕に気が付くと、さっきまで震えていた体を立ち上がらせて、瞳も鋭くなった

ﾄﾞﾗ「……初めましてなんて、言うなよ」

『え、？』

ﾄﾞﾗ「初めて会ったあの日から、お前を忘れた事なんてなかったんだぞ、」

『……私だって、忘れた事なんてなかった』

ﾄﾞﾗ「じゃあ何であんな冷たくするんだ」

『……男の人は怖いの、大きくて力も強い、だから自分を強く見せなきゃいけないの、』

ﾄﾞﾗ「でも、僕の時はあんなに冷たくなかった」

『……ドラコは何故か怖くなかった、今まで赤の他人にこんな事思ったの初めてなの』

ﾄﾞﾗ「僕だって、初めて会った奴に声なんかかけたりしないさ、A以外」

さっきまで鋭かったAの瞳が、ゆっくりと前のように暖かくなり、彼女は笑顔を見せた

『……また会えて、嬉しい、ドラコ』