meet ページ5
「円堂さーん！」
心の中で坂野上について行ったことを後悔した。まさかこうなるとは思っていなかったのだ。
「おう！ 挨拶はできたか？」
中3らしからぬ高い声で返事が返ってくる。
「はい！ 連れてきました！」
背中からも伝わる坂野上の高揚感はより彼女にプレッシャーを与える。
「連れてきた…？」
鬼道有人がふんわりとした(？)ツッコミを入れる。
「えっ……と…… 双和椎那です。」
少々戸惑いながらも、丁寧に挨拶をした。
「俺は円堂守！ これからよろしくなっ！」
「豪炎寺修也だ。よろしく頼む。」
「鬼道有人だ、これからよろしく頼む。」
三者三様な挨拶。彼女は偽りのない笑顔で
「こちらこそ、これからよろしくお願いします。」
と言った。
顔合わせも終え、10時過ぎ。
寝付けないことが気になった椎那は外を歩こうと決めて、半袖Tシャツの上に上着ジャージを羽織った。
チャックはあえて閉めなかった。風を感じるには前を開けておいた方がいいだろうと考えてのことだった。
「そういえば屋外練習場なんてあったなぁ…」
などと呟きながら彼女は宿舎の外に出た。
玄関口前の階段を降りずにそのまま左に曲がってみる。
ここに確か…… と記憶を頼りに歩いてみる。
すると、何か音が聞こえる。
「ボールを蹴る音？ どうしてこんな時間に？」
気になって仕方なくなり、速度を早めて練習場に向かう。
段々と、光が伴っているのも見えた。
“未完成”の技__そう呼んでおこう__を練習する選手の姿をはっきりと捉え、彼女は足早にそこを去った。
「まさか、ね……。」
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花鈴萌(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。今日この作品を見つけまして、一気読みしましたがすごく面白いです。文章もとても丁寧に書かれていらっしゃって読みやすいです。これからも応援させていただきますので、ご自身のペースで更新頑張って下さい！ (8月31日 21時) (
レス) @page19 id: d23310e530 (このIDを非表示/違反報告)
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