コンビニの常連客が推しだった件について[ま/ふ/ま/ふ]

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[坂田がAに惚れたわけ] 坂田side


俺がAに惚れたわけ、それは簡単なことだった。

まず、Aとの出会いはマラソン大会で、陸上部だった俺は強制参加させられた。

部活だって、本当はバスケ部とかが良かったけど部員が満員だからって、仕方なく陸上部に入ったのだ。

毎年行われる大会で、俺は結構足は速いほうだったから、ずっと一位をキープしていたんだけど、隣で走っていた選手に足を引っ掛けられてから一気に最下位まだと下がった。


｢いっ…！｣


ズルズル引きづられていったからか、動けなくなるくらい結構派手に転んだ。でも見て見ぬふりして、普通に痛いし、正直自分でもヤバいなって思った、そんなときに

｢キミ、大丈夫？…うわぁ、結構傷深いんやねぇ。立てないやろ。ほら、肩貸すから保健室まで一緒に行こ？｣

Aが助けてくれたのだ。

・

｢ちょっと、染みるかもしれへんけど我慢しててや。｣

｢いっ…たぁ｣

｢…へへ、なんか顔近ない？ちょっと恥ずかしいんやけど…あ、私は二組のAだよ。キミは？｣

｢一組の坂田、です。｣

｢あー知ってるかも！食いしん坊で有名な子やろ？｣

まさか、そんな覚え方をされてるとは思ってなかったけど。

｢ていうかさ、坂田くん自分で転んだんじゃなくて絶対足引っ掛けられてたよね？もーああいうの有り得ないんだけど、もうちょっとで坂田くん優勝できたのに…残念だったね。｣

｢うん、でもいいんだ…別にやりたくてやってる訳じゃないし、優勝しても嬉しくないから。｣

｢えぇ、ホンマに言うてるん？変わった人やねぇ。あの大会って結構レベル高いから一位キープって凄いことなんやで？｣

今よりも全然子供っぽくて、明るくてクラスの人気者だったA。関西弁が良く似合っていて、人のことを気遣える優しい子だった。

Aは俺の好きなタイプそのものだった。

・

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はいはい、もうすぐ三十路ですね。[そ/ら/る]

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