7人兄弟の歯科物語3

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裕 :
「お待たせ。
じゃ、麻酔していくな」

たかひろ :
「奥吸うなー」

"ゴゴゴー

あきと :
戻ってきたと思ったらすぐに麻酔が打たれ、俺の歯はもう削られようとしていた。

裕 :
「何かあったら遠慮しなくていいから教えて」

"キュイーーン

たかひろ :
あきとが口を開けるとすぐに鳴り出すタービンの音。

「あきと大丈夫？」

あきと
「んー」
指でグーサインして返事する。

"キュイーン

裕 :
「あっくん？
ちょっと中で広がってるわ。今痛みない？
痛かったら麻酔追加するから左手な」

あきと :
中で広がってたのか…ショック。
痛くはないけど奥だから顎が疲れてきた。

たかひろ :
少し口が小さくなってきた。
「大きくあーん？しんどいけど頑張ろうな」

.

じゅんた :
痛いのか？
兄弟の中では俺の次くらいに口が大きいあきと。
だんだんと口が小さくなり、たかひろや裕に声かけられて頑張るけど、また小さくなってを繰り返している。

たかひろ :
「あきと、あーん？」

裕 :
「奥だからしんどいな。
順調に虫歯取れてるからね」


あきと :
ちょっとピリッと痛むようになってきた。
もう少し耐えても終わらなかったら麻酔追加してもらおう。

たかひろ :
「顎しんどいけど、大きくあーんな」

裕 :
「一旦止めるな、大丈夫？
検知液たらすね」

たかひろ :
「…まだ染まりますね」

裕 :
「あっくん、もう少し削らせて。
痛みとかどう？」

あきと :
「ちょっとピリッと...。
俺もミラー見ていいですか？」

手鏡とミラーでみるとあと少し。

「このくらいならいけます。
お願いします」

裕 :
「我慢しなくていいから。
無理そうなら教えて」

"キュイーン

たかひろ :
「痛いな、頑張れ」
少し歪むあきとの表情から痛みに耐えているのが伝わる。

.

裕 :
「うん、大丈夫かな。
一旦うがいしていいよ」

あきと
「ふぅ…」
ちょっと痛かったし顎しんどかった。
両手で顎を包み込みグニグニとマッサージするとじゅんた君が「頑張ったね」って声をかけてくれた。

裕 :
「あと詰めて終わりな」

.

あきと :
疲れちゃってちょっと口が小さくなってしまったと思うけど…綺麗に詰めてもらって俺の治療は終わった。

裕 :
「今日は来てくれてありがとう。
たかちゃんとあっくんはちょっと頑張ってもらうことになってごめんな…」

たかひろ、あきと :
「いえ、ありがとうございました」

じゅんた :
「裕、落ち着いたらまたうち遊びおいで」

裕 :
「おう」

じゅんた :
「じゃ、また」

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