episode.7 小人とわたし ページ22
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私の朝は早い。ファミリーの中で1番早い。
施設にいた頃からの癖だからなかなか治らないの。
とりあえず、顔を洗って歯を磨いてみんなの朝食の準備をするの。それから、服を着替えて朝のお散歩に行くの。
門の人達に見つからないように外に出る。
「♪〜」
国の中ならどこに行ってもいいとドフィが言ってくれた。
時々感じる気配、私はそれが気になって仕方がなかった。
私はその気配の濃い"グリーンビット"へと向かった。
不思議な森だ。
誰も見えないのに、気配ばっかりが感じられる。
と思った拍子に私はつまずいて花畑に倒れ込んだ。
「うわっ……あぁー、血が出ちゃったー。」
私は自分の膝を見てそう言った。
この国には古くから"妖精"と呼ばれた小人たち、トンタッタ族が住んでいたという。彼らはイタズラが大好きで、人に嘘をつく事ができない、とてもいい子たちらしい。
しばらくすると気配が止まった。
「あの子、怪我しちゃったれすよ…」
「どうしますか?」
「でも相手は大人間れす!」
「スカーレット様のお部屋を使っている人れすね。」
見聞色が強い私はそんなヒソヒソと話す声が聞こえてきた。これは、どうすればいいのかな。私あんまりお喋りするの得意じゃないの。昔から人とあんまり話さなかったから。
でも、話さなきゃ伝わらないの。
「ねぇ、妖精さんたち。わたしAって言うの。怪我しちゃって立てなくて、助けてもらえないかな。代わりに、お菓子をさしあげるわ。」
私は独り言のようにそう言った。
存外警戒心が薄いのか、彼らは直ぐに姿を現してくれた。小さくて可愛い勇敢な騎士たち。姿を現したのは一人だけだったけど、それでも姿を見せてくれたことが何より嬉しかった。
「僕はトンタッタ族のレオれす。大人間が僕達になんの用れすか!」
「最近ずっとわたしのこと見てたから気になってたの。ごめんなさい、突然ここまで来ちゃって。」
「ならいいれすよ!僕達こそずっと見ててごめんさい。」
な、なにこの信じやすさ。
いつか詐欺に合うわよ、ベビー5より信じやすい気がする。絶対に家族たちに合わせちゃダメな気がするもん。すっごくいい子すぎる。
私は彼らの行動に衝撃を受けていた。
「ところで怪我は大丈夫れすか?」
「あー、これはちょっとつまずいただけだから。」
「でも、血が出てます。そうだ!僕たちの国に来ませんか?」
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楸(プロフ) - ユイさん» 最後の方にまだコラソン出てくる予定だから楽しみにしててぇ!!更新遅杉田玄白で申し訳ないのですがこれからも頑張ります!! (2022年11月23日 13時) (レス) id: 94f21122e4 (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - ひなたさん» ありがとうございます!大丈夫です!ただこの作者更新頻度がとてつもなく遅いよ、とだけお伝え頂ければ幸いです! (2022年11月23日 13時) (レス) id: 94f21122e4 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - ちょっと、友達におすすめしたいです。許可をください (2022年11月23日 11時) (レス) id: 766649bc8e (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - うわああああああコラソンんんんん!!初コメ失礼します!面白いです!これからも応援してます!投稿頑張ってください! (2022年10月15日 18時) (レス) @page17 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楸 | 作成日時:2022年9月27日 22時