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今日は土曜日。爆発君たちの仮免補講？ってやつも今週は無く、みんな忙しそうに文化祭の準備に
演出の方は滞りなく進んでいた。
"個性"の制御も何となくコツを掴んだ。
自分に関するアクセスなら"要素"なしで使用出来る。
例えば、自分の考えを相手に伝える"擬似テレパス"。
自分の座標を移動させる"瞬間移動"……etc。
私は見事にレベルアップして現在香車って感じ。歩よりは敵陣に進めるかなという、初心者には使いにくいコマに成長した。
切島「A〜、またどっかに意識飛んでるぞ。」
貴「すまん、自分の進歩を噛み締めてた。」
瀬呂「それよりさ、ここの演出なんだけど…」
瀬呂範太君が言うには、演出にダンスや演奏と合わせる時に私の個性で巨大スクリーンの操作と青山ミラーボールのネビルレーザーの処理を同時に行って欲しいとの事だった。
機械のアクセスは私の個性本来の用途なので要素はなし。
ネビルレーザーの方は爪一つで済みそうなので了承した。
瀬呂「Aは他気になるとこある？」
貴「特にないよ、いい采配だと思う。ただ人員が足りないね。」
切島「だとしたら引き抜きだよな、やっぱ。」
そんな事を話している時だった。
外が随分騒がしくて、思わず声の方を見た。
そこには私が会いたくて会いたくて堪らなかった子がいた。私は座っていた椅子が倒れるのも気にならずその子の方へ走った。ドアを開けるのをこんなに楽しみに思ったのは久しい。
胸が踊るとはこんな感覚に違いない。彼女がいれば、彼の個性を復活させる事が出来るかもしれない。それに加え、敵の玉将をとるのも容易になる。私が失わせたあの人の個性を戻す事が出来るかもしれない。
ドアを乱暴に開けて階段から大きく浮遊して彼女の元へ飛んだ。
貴「やっと会えた、"巻き戻す"個性の子。」
「……だれ？」
通形「あっ！サーを治してくれた子!!」
私はその金髪の嬉しそうに笑う青年を飛び越えてエリと呼ばれた少女の方に飛んだ。それから金髪の青年を目視による認識で"アクセス"を申請。受諾に成功。
名前は通形ミリオ、私の二つ上の先輩で個性"無個性"。
確か前に見た時は個性を使っていた気がする。通形だから、多分"透過"みたいな個性だったのだろう。仮に何かによって無くなったならエリちゃんが戻せるようになるだろう。
貴「私はAA。よろしくね、エリちゃん。」
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作者名：楸 | 作成日時：2022年11月27日 0時
