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てか、誰だこのオッチャン。
なんか面倒見よさそう。
近所にいた野球教えてくれた人に似てる。
貴「へいへいおっちゃん、それどういう事。」
『俺はラリアットだ、よろしくな嬢ちゃん。』
貴「うん、よろぴ。」
ラリアットと言った、そのイカつい顔の人は存外気さくに私に話しかけてくれた。他の人は私と目も合わせたくないようでずっとこちらを見ていた。
その中、白髪の男性が私に話しかけてきた。
『君が僕たちに触れたのは、私たちの個性と君の個性が似ている性質を持っているからだと思う。』
貴「その性質って何？」
『おそらく、"他の個性に触れる"性質だ。』
貴「他の個性に触れる…」
意味のわからない空間。
意味の分からない事を言う人達。
そして、何より理解不能な個性。
緑谷出久という少年が持つ不思議な運命。
私は何も分かっていない。情報が足りない。
貴「それで、ここから出してくれる条件は？」
『この少年はいずれ巨悪と戦う。その時"力を貸してほしい"。』
黒髪の綺麗な女性がそう言った。コスチュームを着ているところを見ると、元はヒーローなのだろう。けれど、彼女のような人は見た事がない。
随分前に死んだ人なのだろうか。
私をここから出す条件"いずれ巨悪と戦う時に力を貸す"ね。逆に言えばこの条件を飲まないとここから出してくれないわけだから、初めから私に拒否権なんてないんだろうけどね。
貴「いいよ、初めから私はこの少年が気に入ってるから。」
『俺たちはいつもこの個性の中でいる。困ったことがあれば聞けばいいさ。またな、Aの嬢ちゃん。』
貴「待って、なんで私の…」
"私の名前を知ってるの"
その言葉を言いかけた時。私の目が開いた。
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目の前にはついさっき"要素"を追加した後の状態がスローモーションで見えていた。この瞬間私には勝つ算段が見えた。
空間と周囲にある物質にアクセスし、捕縛布を複製。そして、目の前で私と同じように目を開こうとした緑谷を捕縛布で捕らえた。
貴「個性が使えなきゃただの人間だろ。」
「ｶﾊｯ…息が……」
「ﾋｭｰ…ﾋｭｰ……」
低酸素で動けなくなった全員を一気に捕縛布で捕らえた。
そして、全員が動かなくなったのを見て個性を解除した。
貴「はい、私の勝ちね。」
相澤「ほら、捕縛布返せ。」
私はドヤ顔をしながら先生に捕縛布を返した。
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作者名：楸 | 作成日時：2022年11月27日 0時
