雨が291粒。 ページ46
生徒会の仕事が有って、学秀が未だ校内に居る事は知っていた。それを見計らって中也さんと共に学秀に近付いた。周りには五英傑も居た。彼等に聞こえても大丈夫なように演技をしないと。
「浅野君。」
「あぁ、中原さんか。」
「一寸善いかな?直ぐ終わるんだけど…」
「構わないよ。」
彼の言葉を聞いて、鞄からチョコを取り出した。彼用で、手作りだ。
「善かったら食べて。他の子からいっぱい貰ってるだろうけど。」
「わざわざ僕に?」
「うん。浅野君には色々御世話に成ったから。」
「ありがとう。食べさせてもらうよ。」
「名前、終わっただろ。帰ンぞ。」
「あ、はい。態々引き止めて御免ね。ばいばい、"学秀"。」
「!嗚呼。じゃあな、"名前"。」
名前で呼んだ事怒られるだろうか、等と考え乍ら学秀や五英傑に別れを告げた。
校門付近に停めて居た車に乗り込み、横浜を目指す。
「名前。」
「怒りましたか?名前で呼んだ事。」
「否、特に怒っちゃいねェよ。其方じゃなくて、彼奴も手作りだった事に怒ってる。」
「"幼馴染み"なんで。」
そう云うと中也さんは外方を向いた。
「可愛い〜。」
外方を向く彼の頬をつつき乍ら云った。
「可愛くねェよ!」
と、つつく手を弾かれた。そして、今日の名前は変だ、と訝しげに私を見つめた。私はそんな彼の唇に接吻した。
「やけに積極的だな…」
「今日位善いじゃないですか♪」
「ま、そうだな。じゃあ俺も、積極的に成るか。」
中也さんは怪しく嗤うと、私の座席の背凭れを倒し、私も倒した。
「え?!」
「善いだろ?」
「駄目ですよ?!せめて場所を考えて下さい!」
「無理。」
「はっ?!ちょっ、中也さ、んん、…」
彼の手がスカァトの中に這入り、私の太股を撫でた。其の侭、首筋を舐められ、
「ん、……これで名前は俺のってアピール出来るな。」
「もう、中也さんのって判ってるから必要無いんじゃ…」
「念の為だよ。」
「わ、判りました!判りましたから、服脱がそうとしないで下さいっ!今は本当に駄目です!!」
「そんなに厭かよ。」
「あ、否、中也さんとその…そういう事をするのは厭じゃないんですけど、車の中だから…」
「今日、泊まれよ?」
「うっ……はい。」
夜が怖いような、愉しみのような。
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バンビ(プロフ) - ぬうさん» いえいえ! (2017年4月5日 17時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - ありがとうございます! (2017年4月5日 16時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - ぬうさん» 矢印を押してからアルファベットを打ったら出来ると思います! (2017年4月5日 14時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - あの、パスワード認証の大文字の打ち方がわかりません。どうするんですか? (2017年4月5日 14時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - アオアオさん» コメントありがとうございます!!祝いの言葉まで!次も頑張って書きます! (2017年2月15日 21時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2017年1月31日 21時