雨が174粒。 ページ41
私は数歩下がり、チェシャ猫が藤本を殺すのを唯々見ていた。
其の内藤本は、見るに耐えない姿に成った。
チェシャ猫は有言実行した。藤本は原形が留められていなかった。
肉片が散らばり、臓器もグチャグチャで、切られた腹から出ていた。
役目を終えたチェシャ猫は既に消えていた。
「水嶋幹部補佐?」
「え?…嗚呼、帰りましょうか。首領から掃除屋は呼ばなくていいと云われていますので、放置して構いません。」
今日もお疲れ様です。有難う御座いました、と云い、私は先に藤本宅の近くに停めていた車へ向かった。
服に血が付いていたが、そんな事気にせず座席に腰を下ろした。
可也の血が服に付着していた。
折角首領が仕事用に、と買ってくれた服なのに。まぁ、スペアは何着も有るが。
徐ろに、首に付けていたチョーカーに触れた。中也さんに買って貰ったたチョーカだ。
仕事の際は何時も付けている。勿論、ベルトシューズもだ。
中也さんから貰った物は大事にしている。
(会いたいな。)
唐突に思った。
今回の任務は楽しかったが疲れた。
彼の人の温もりを感じて休みたい。
そんな時、車の窓が叩かれた。
窓を少し開け、何ですか?、と叩いたであろう人物に声を掛けた。
「いやぁ、此処から血の匂いがしましたので怪我でもされているのかと心配しましてねぇ。」
聞き覚えの有る声。下手くそな変装。
窓を叩いたのは殺せんせーだった。
異能を解いていなくて善かったと心から安心した。
『アリス』の発動時、髪色は変わるからバレずに済む。
「怪我なんてしてませんよ。お気になさらずに。」
「そうでしたか。ですが、こんな夜遅くに1人でいるのは教師として勧めませんね。」
「人待ちなんです。というか、貴方教師だったんですね。」
「はい。……ですが、最近は不安なんですよ。良ければ話を聞いてくれませんかね?」
「まぁ、いいですけど。」
ありがとうございます、と明るい声でのお礼。
先生は、生徒の事なのですがね、と話し始めた。
「私は教師として、自分の生徒を信じてあげられなかったんです。その生徒は、あぁ、ここではMさんとしましょう。」
私の事かと瞬時に悟った。
まぁ、聞いていて損は無いだろう。得も無いかもしれないが。
聞くだけ聞いてあげよう。
575人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ベベンべエエェェ - 何か自分が恥ずかしいデス… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - 私誰かが憎しんでる顔とか、絶望してる顔大好きなんですよね…何時の間にかドエスになってたり… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
永眠(プロフ) - あの、すみません。この次の小説にパスワードが着いていて、書かれてある通りに打ったり、コメントでみたパスワードを書いたんですけど、開けなくて。どうしたらいいですか? (2020年7月8日 13時) (レス) id: b1f570929b (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 零魔さん» コメントありがとう!!そう言って頂けて、嬉しい限りです!ありがとうございます! (2018年3月16日 9時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
零魔 - 凄い! (2018年3月15日 22時) (レス) id: 8e0c5fded6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:バンビ | 作成日時:2016年12月29日 14時