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雨が157粒。 ページ23

「理事長が言っていた事を教えてくれませんか?私は、否、私達は知らない事が多過ぎる。」


「………いいでしょう。」


「はっ!?いいのかよ。」


「いいですよ。でも、未だお教えする事は出来ません。」


「では、いつ?」


「そうですね……時が来れば、ですかね。」







時が来れば、凡て知る事に成る。




私の正体も、E組(此処)に来た意味も。






「約束しましょう。時が来たら、凡て貴方達に教えると。」


「分かりました。信じましょう、その言葉を。」






私は拳を力強く握った。爪が食い込んで、血が出るかと思う程。




殺せんせーが皆に、校舎を修理しますよ、と声を掛ける。それに従い、動き出す生徒達。




私の事なんて気付かずに。





「名前ちゃん。」




そう優しく声を掛けてくれたのは、以外にも敦君だった。





「敦君?」


「そんなに強く握ってたら、痛いでしょ?ほら、手開いて。」





敦君は私の手を取り、強く握られていた手を開いて行く。





「爪が食い込んで痕が残ってる……痛かったでしょ?」


「え、…痛いのは慣れてる。」





訓練等をしていたら、痛みなんて慣れてしまう。






「慣れてても痛いものは痛いの。ちゃんと判ってる?女の子なんだから、気を付けなよ?」


「別に手位…。いざとなったら切り落とす覚悟も有るし。」


「そういう覚悟は要りません。……まぁ、仕方無い事なのかもしれないけどさ。」






そう、仕方無いの。ポートマフィアに入った時点で、色んな覚悟を決めないといけない。



というか今更だけど、中也さんは?直ぐに来そうなのに。




中也さんは何処かと辺りを見回せば、太宰さんと又言い争って居た。





「名前ちゃん、保健室行こう。」


「え?…あぁ、うん。」





曖昧乍らも答えた私を、敦君が引っ張って行く。



先生には、私が怪我したから保健室に連れて行くと云って。




保健室に着くと、敦君に丸椅子に座らされた。



彼は絆創膏は何処かと、探していた。






「敦君、別に放っとくからいいよ?」


「駄目だよ。先刻も云ったでしょ、女の子なんだから、気を付けなよって。」


「過保護。」


「えっ?!僕って過保護?!」


「面倒見のいいお姉さんみたい。」


「性別違うよ?!僕男だからね!?」


「じゃあ、面倒見のいいお兄さん。」






じゃあって…、と苦笑いする敦君。



そんな彼に思わず嗤ってしまった。

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ベベンべエエェェ - 何か自分が恥ずかしいデス… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - 私誰かが憎しんでる顔とか、絶望してる顔大好きなんですよね…何時の間にかドエスになってたり… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
永眠(プロフ) - あの、すみません。この次の小説にパスワードが着いていて、書かれてある通りに打ったり、コメントでみたパスワードを書いたんですけど、開けなくて。どうしたらいいですか? (2020年7月8日 13時) (レス) id: b1f570929b (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 零魔さん» コメントありがとう!!そう言って頂けて、嬉しい限りです!ありがとうございます! (2018年3月16日 9時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
零魔 - 凄い! (2018年3月15日 22時) (レス) id: 8e0c5fded6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2016年12月29日 14時

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