雨が140粒。 ページ2
両手で顔を覆い、
「私、藤本さんに何かした?……何で、こんな事するの…?」
涙ぐんだ声を出した。
そして、嘘泣きをする。ビッチ先生が再び背中を摩ってくれた。
「私は何も知らないって言ってるでしょ?!中原さんの自作自演じゃないの?!」
「名前がンな事して何の得が有んだよっ!一歩間違えれば死ぬかもしれねェんだぞ!!」
「お菓子の事なんて私が知るわけ無いでしょ?!作ってないんだからっ!!」
藤本の言葉に教室が静まり返った。
私は嗤いを堪えるのに必死だった。でも、肩が小刻みに揺れて仕方無い。
まぁ、周りには泣いている様にしか見えないだろうが。
「何それ、今まで嘘ついてたっこと?」
静寂を破ったのは赤羽君だった。
その問いは皆が思っていた事だろう。
「ち、ちが…」
「何が違うの?自分で言ったじゃん。"作ってない"って。」
「………えぇ、そうよ!作ってないわよ!でも、美味しいお菓子食べられたんだからいいじゃない!」
うわぁ、此処でも出るのか、藤本のお嬢様発言。
というか、開き直る辺り凄いよ。
「だから、私は中原さんのお菓子に薬なんて盛ってない。知らないのよ、作らせてたんだから。」
「じゃあ、その人に命令したの?一つだけ、薬を盛れって。」
「言ってないっ!!何でカルマ君は私の事信じてくれないの?!彼女でしょ?!」
「逆に聞くけど、何でお前を信じなきゃいけないの?この際ぶっちゃけるけど、俺は名前が好きだよ。」
突然の告白に何処ぞの超生物から、キャー、という声が聞こえる。
否先ず、空気読んでよ。修羅場ってるんだからさ。
「まぁ、今はその事は置いとくけど。…可笑しいと思ってたんだよね、何で名前の"だけ"出来が悪いのか。」
職人さんにでも作らせたんじゃないの?なら、出来が悪いのなんて無いだろうし、失敗したら新しく作り直すでしょ、淡々と話し続ける赤羽君。
嗚呼、面白くて仕方無いよ。其の侭、攻めてよ。じわりじわりと。
そんな時、あ、あの!、と奥田さんが云った。
「お話の途中で申し訳ないんですが、何の薬か分かりました。」
「何だったんだ。」
「"タミフル"という、インフルエンザで使われる薬です。その副作用が中原さんに出たんだと…」
特別危険な薬では無いと分かってか、何人かが安堵の溜息を吐いた。
ふふふっ。知ってるよ?知ってるから盛らせたんだよ。
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ベベンべエエェェ - 何か自分が恥ずかしいデス… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - 私誰かが憎しんでる顔とか、絶望してる顔大好きなんですよね…何時の間にかドエスになってたり… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
永眠(プロフ) - あの、すみません。この次の小説にパスワードが着いていて、書かれてある通りに打ったり、コメントでみたパスワードを書いたんですけど、開けなくて。どうしたらいいですか? (2020年7月8日 13時) (レス) id: b1f570929b (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 零魔さん» コメントありがとう!!そう言って頂けて、嬉しい限りです!ありがとうございます! (2018年3月16日 9時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
零魔 - 凄い! (2018年3月15日 22時) (レス) id: 8e0c5fded6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2016年12月29日 14時