幕引きと言伝 ページ33
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名前side
意外だ。もっと脅されたりすると思ってたのに。
名前『案外簡単に引き下がるんですね。』
夏油「無理に引き入れると揉めるだろう？
そういうのは湊だけで十分だよ。」
……………何したんだアイツ。
まぁ一匹狼なとこあるし……
夏油「じゃあね。」
夏油さんはそれだけ言うと私に背を向けて去っていく。
名前『……湊に伝えてください。』
その背中に私がそう言う。
夏油「…………」
夏油さんは足を止めて半身でこちらを振り返る。
お互いの視線がぶつかり、私は再び口を開いた。
名前『私が殺すまで死ぬなって。』
夏油「…………分かったよ。」
夏油さんは頷いて今度こそ去っていった。
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No side
？「…………勝手に声かけないでください。」
夏油「君だって気になってただろう？
…………………………湊。」
名前と別れた夏油は離れた場所で湊と落ち合った。
全身真っ黒な服を着ているが、目立つ金髪に赤い眼。
夏油が数刻前に会っていた名前によく似ている。
夏油「術式も発動条件も君の言った通りだった。
私が指摘したら動きを止めたからね。」
湊「あれは癖みたいなもんですよ。
昔からなんです。
ボールペンが1番使い勝手がいいって。」
少年は懐かしむように名前の話をする。
夏油「そうだ、その彼女から伝言だよ。
｢私が殺すまで死ぬな｣だってさ。」
夏油がそう言うと湊は口角を上げ綺麗な赤い眼を細める。
湊「大丈夫ですよ。
…………………………その前に、俺が殺すんで。」
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作者名：あおい
| 作成日時：2021年2月25日 17時
