着飾られた彼女 ページ25
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その日、Aが機能回復訓練を終えた後。
「「「はぁ…美しい…」」」
そう声を揃えたのは、天元の嫁たち。
そんな三人の中心にいるのは、なんとも言えない表情をしているA。
吉原潜入時の衣装の着せ替え人形と化していた。
『…あの、もうこれでいいんじゃ…』
「「「何を言ってるんですか!
まだまだですよ!!」」」
『…はい』
三人の嫁たちは、ここぞとばかりに彼女を愛でていた。
彼女は本来お洒落などに過剰に気を使うタイプではない。
顔の造形は整っているものの、化粧なんかは最低限だ。
派手な天元と比べると地味な方だとも言える。
だがそんな彼女のアイデンティティであり、一際輝きを放つものがある。
それは、クリーミーブロンドの美しい髪。
普段は束ねたりなどしているわけではなく、横髪を耳に掛けるくらいのものだ。
だが、今の彼女は簪などの綺麗な飾りと共に、美しく結えられ、細い首と色気のある頸が露わになっている。
そして、白い肌に映える真っ赤な紅。
三人が彼女に最も似合うものを、とこだわるのも無理はない。
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そして、ついに…
「「「…はぁー、これだ…」」」
嫁たち三人のうっとりしたため息が響く。
『…こんな格好したの、はじめて』
姿見で自分の姿を見た彼女は、ぼそっと呟いた。
「これで、天元様もイチコロですね!」
まきをが彼女に笑いかけた。
『…いや、イチコロって…』
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『…ねぇ、まきを…』
「はい?」
彼女は俯き加減でまきをにおそるおそる問いかけた。
『あのさ…
天元って…私のこと…
「おい。
支度終わったか?」
タイミングがいいのか悪いのか、襖の外側から天元の声がした。
そのとき、彼女は思った。
嫁相手に何聞こうとしてたんだ、と。
「はい!終わりましたよ!」
雛鶴が跳ねるような声で答えた。
「入るぞ」
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怜。(プロフ) - Ach1ch1さん» こちらこそありがとうございます! (2021年10月5日 13時) (レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
Ach1ch1(プロフ) - ありがとうございます(^^) (2021年10月5日 8時) (レス) id: 7c41a08aa3 (このIDを非表示/違反報告)
Ach1ch1(プロフ) - 白い世界へのパスワードを教えていただきたいです。 (2021年10月4日 20時) (レス) id: 7c41a08aa3 (このIDを非表示/違反報告)
怜。(プロフ) - 有紀さん» 白い世界へのパスワードをお伝えしていたのですが、コメント欄にてそのパスワードが誰でも見れる状態が続いていたので、消させていただきました…!すみません!もし確認されていないようであれば、もう一度お伝えいただけると幸いです! (2021年9月21日 23時) (レス) id: 0029dd2ea6 (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - 初コメがこれで失礼いたします。白い世界のお話を読みたいのでパスワードを教えて欲しいです!よろしくお願いします! (2021年8月30日 19時) (レス) id: 6e9316e3b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜。 | 作成日時:2020年6月26日 15時