13話~首無犬と春枯れ草火~ ページ14
新しい服の着方が分からなかったから口で丁寧に説明されながら、物陰に隠れて直ぐに着替えてそのままコンビニへ向かう
あのさっきかけられた何かはこーすいと言うやつらしく、なんでも怪物特有の匂いを消してくれる、らしい…確かそんな感じの説明……だったはず
もうあまり覚えてない
ガラッ
ガサガサッ
貴女「っ………危ない」
こんびにという所でお店の人にメモ用紙を見せて商品を教えてもらい何とかお使いを済ませた、その帰り道
重い袋を引き摺らないように気を付けて歩く
中には醤油の瓶や塩、なんやらかんやらが入ってるから重い
………これ、夏羽のところに帰れるのかな…?
でも必ず遂行してみせる
夏羽と一緒にいれるなら何でもやってみせる、がんばる
でもどうしよう……これ以上力を入れると首が落ちちゃう…
幾ら死ぬ事が無くなったからって…普通に痛みは感じるから、首が地面に落ちたら痛いからヤダ
それにここ……都会の地面ゴツゴツしててなんか尚更痛そう…
ガッ
貴女「っ……!」
重たい袋に意識を集中させすぎてなにか石らしきものにつまづいて体が前に傾く
あ、どうしよう…
「っと……大丈夫ですか?どうしたんですか、こんな時間に一人でそんな重たそうなもの下げて」
貴女「………ありがとう、ございま…す…これ、お使いで…
えっと、大丈夫……です」
お店の手伝いは良くしてたけど、やっぱり敬語は苦手……仕事で使う敬語は知ってるけど、日常で使う敬語は知らない
まず人と会話するのも……でもお礼言わなくちゃ、この人コケかけたのを支えてくれた恩人
体勢を持ち直されてお腹の所に回った腕が離れ、そこで漸く恩人と顔を合わせる
………あまり年、変わらなそう…?でも何か匂いが変
「それなら良かったです、1人でこんな時間に歩いては危険ですよ?」
貴女「大丈夫……あっです、強いから…」
「もしそうだとしても見過ごせません、途中まで一緒に歩きましょう!僕は野火丸です!君は?」
貴女「………Aです」
野火丸「敬語苦手なんですか?外していいですよ!」
貴女「………ん」
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作者名:元薺(サイ)だった者 | 作成日時:2021年4月13日 8時