【ツイステ】森のくまさん系のスカラビア寮生男子生徒 (ページ29)

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28話~木を折るとは何事~ ページ29

カリム·アルアジームside

ジャミルがガッと勢いよく右手首を掴み右手の拳に流れていた血なまぐさい匂いの正体を分かりやすいように上げた

拳からとめどなく血が出ていたらしい

貴方「………？？」

しかし本人のAはちっともそのことに気づいていなかったようだ

多分この様子じゃ何で血が流れているのかさえも分かってなさそうだな……

カリム「ってそれよりも、早く医務室に連れて行こうジャミル！」

ジャミル「だな、このままじゃ菌が入りかねないし、何しろ不便で痛いだろ

……よくこんなになるまで我慢してたな」

早足で寮、もとい鏡舎から出て校舎内にある医務室に向かう

本当なら、普通なら痛くて顔を歪ませているはずなのに俺らの後ろを手を引かれながら歩くAは

全然顔色ひとつ変えない、初めてあった時と同じように顰めっ面のような無表情だ

貴方「…………？してないっす…」

ジャミル「は？」

貴方「…………我慢」

カリム「え？嘘言うな！これは絶対痛いやつだろ！？」

やっと医務室について、すぐさま椅子に座らせてジャミルが救急箱を取りだし手の処置をしていく

流石ジャミルだな！手際がイイ！

ジャミル「全く……傷口が開いた痕があるな、どれぐらい放置したんだ？

というか一体何をどうやったらこんな怪我を負うんだ」

貴方「……………？」

ジャミルの問にAはただ何をしたり言うわけでもなく、手際良く進めていくジャミルを見つめている

……思ってたんだけがAって何だか口数少ないな！！

それに何考えてるか全然わかんねぇ！面白いやつだな〜

貴方「……………」ｽﾞﾓﾓﾓ…ｯ

ん？何か顔が険しくなってきたな……それに何だか威圧感も出てきた

な、何だ何だ？めちゃくちゃ眉間にシワよってるぞ…！？

ジャミル「……………？」

カリム「？」

貴方「…………………思い出した」

ジャミル「？何をだ？」

貴方「…………木」

カリム「木？木がどうしたのか？」

消毒液をドババッと大量にかけられる拳を見ながらAは口を開いた

けど、木？木がなんなんだ？

貴方「……………折った…っす」

2人「「あ、なんだ…折っただけか

え？折った？？」」

貴方「……………」ｺｸｯ