呪言 (ページ8) - 小説/夢小説

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第73話ページ8

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飯田は自責の念に駆られた。

ヒーロー殺しに言われた。

“まずはアイツを助けろよ”

そうだ、僕は自分のことだけしか見れちゃいない。

“偽物だからだ”

お前の言う通りだ、ヒーロー殺し。

僕は彼らと違う。

未熟者だ。

足元にも及ばない⋯⋯！それでも⋯！

ステイン「氷と炎」

轟「んで避けられんだよこれを！」

ステイン「言われたことは無いか？
個性にかまけ、挙動が大雑把だと！」

調月はハッと立ち上がった。

そして “身体が勝手に動いた” 。

思考は巡る。

轟の前に立ちヒーロー殺しとの壁になる。

緑谷「調月さん⋯⋯ッ!!!!」

轟「ッ！？」

ステイン「成程⋯矢張りお前は “良い”」

調月の腕に刃が食い込む。

このままだと腕自体を⋯⋯！！

今、ここで立たなくちゃ⋯⋯！

二度と、もう二度と彼らに⋯⋯！

兄さんに！追いつけなくなってしまう！

飯田「レシプロ⋯バースト！」

飯田はヒーロー殺しの刃をはじき飛ばす。

その速さにヒーロー殺しは反応し切れない。

緑谷「飯田くん！」

轟「調月ッ⋯⋯！」

A『⋯⋯平気。
血液型で解けるなんて意外と大した事ない個性だね
私の方が “有能” な個性だ』

緑谷はハッとした。

調月がわざと轟を庇った理由。

きっとヒーロー殺しは調月さんが前に出た時から分かっていたから “良い” なんて言った。

調月さんは、動きを止められても口さえ動けば自由自在に個性を使用出来る⋯⋯！

飯田「轟君も緑谷君も、調月君も。
関係無い事で、申し訳ない⋯⋯！
だからもう！三人にこれ以上血を流させるわけにはいかない！」

ステイン「感化され取り繕おうとも無駄だ。
人間の本質はそう易々と変わらない。
お前は私欲を優先させる偽物にしかならない！
ヒーローを歪ませる社会のガンだ。
誰かが正さねばならないんだ」

調月は思う。

本物の英雄と偽物の英雄の差。

オールマイトの様な自損の塊が英雄で。

利益を追い求める英雄は奸雄と言う。

その差に彼は激怒しているのだろう、と。