呪言 (ページ12) - 小説/夢小説

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第77話ページ12

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その後保須総合病院に搬送させられた調月らは同室で休んでいた。

調月の喉も幾分かマシになってきた頃だ。

轟「寝られたか？緑谷」

緑谷「ううん、あんまり」

轟「だろうな、俺もだ」

轟、飯田、緑谷で雑談をしている中調月はベッドに座り自分の腕を見た。

包帯でクルクル巻かれている腕は奇跡的に骨にまで行っては居なかった。

ただ皮膚の凄い損傷に針で幾つか縫わなくてはならなかったが。

グラントリノ「おお、起きてるな怪我人共」

緑谷「グラントリノ！」

飯田「マニュアルさん⋯」

扉を開けて入って来た二人。

グラントリノは緑谷の元に行くが、調月は扉の所に居る “来客” を見た。

図体は人間、だが顔は犬⋯。

保須警察署署長の “面構(つらがまえ)犬嗣(けんじ)”。

目上の人の登場に全員が立ち上がる。

面構「ああ、掛けたままで結構だワン。
君たちがヒーロー殺しを仕留めた雄英生徒だワンね？逮捕したヒーロー殺しだが、火傷に骨折と中々重症で現在厳戒態勢の下、治療中だワン。

雄英生徒なら分かっていると思うが、超常れい明期。警察は統率と規格を重要視し、 “個性” を “武” に用いない事とした。
そしてヒーローはその穴を埋める形で台頭してきた職業だワン。
個人の武力行使⋯容易に人を殺められる力。
本来なら糾弾されて叱るべきこれらが公に認められているのは先人達がモラルやルールをしっかり順守してきたからなんだワン。

資格未取得者が保護管理者の指示なく個性で危害を加えた事。例え相手がヒーロー殺しであろうとも、これは立派な規則違反だワン。
君たち四人及び、プロヒーローエンデヴァー、マニュアル、グラントリノこの七名には厳正な処分が下されなければならない」

面構のその長い言葉に轟は怒りを隠せられない。

それ即ち “助けるな” と言われようなものだからだ。

ヒーローとして、目の前に助けを求めている人がいるというのに助けては行けないのは可笑しいと。

轟は訴えた。