No road is long with good company "同じ月"編 (2) (ページ13)

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「あーここにいた！」

龍斗くんが走ってやって来た。

「どこ行ってたんだよ！」

「ごめんごめん...ほら、昼ごはん食べ損ねたからさ、」

龍斗くんが大きな袋を差し出す。

「もう時間過ぎてたからあまりいいモノ置いてなかって...」

売店でいろいろと買ってきてくれたらしい。

「そういえば...忘れてたな。」

「そうだね...お腹空いた。龍ちゃん、ありがと。」

各々が好きな物を取っていく。

「はい。森口さんも好きなの取って？」

「あ、私はほとんど食べてたから大丈夫。」

「そう？じゃあデザートってことで(笑)。」

「...ありがと。」

いちごポッキーを受け取る。

「...ほら、みんなが残してくれてたよ。」

龍斗くんがAに、カルピスウォーターを握らせた。

「あと残ってんのは...おかかおにぎりとクリームパンか。どっちが食べたい？」

それからAの前に座り、おにぎりとパンを差し出す。

「...ない、」

Aがボソッとつぶやく。

「ん、何？」

龍斗くんがAを覗き込む。

「...わからない。」

「え、これはおかかでこっちはクリーム、」

「わからない、どうしてあの人怒ったの？北斗のお弁当無茶苦茶になったの？どうして瑞稀さんは知らないふりしたの？何がどうなってるのか私には全然わからない！！」

カルピスウォーターを握りしめたAの声はだんだん悲鳴のように変わっていった。

そんなAを、黙って見つめる龍斗くん。