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Aがバンドを脱退した。
しかも私以外のメンバーとは連絡を取ることすら止めたらしい。
急いで残りのメンバーが龍斗くんの部屋に集まった。
突然のこと、しかもムードメーカーのAがいないということでみんな沈んでいる。
「いらっしゃい！久しぶりだね！！」
突然ドアが開くと、まきさんがお茶とお菓子を持って部屋に入ってきた。
「だからさノックぐらいしてくれっていつも言ってるじゃん！」
「だって両手塞がってたんだもん仕方ないじゃん！」
「両手がって...あ！姉ちゃん足で開けたな？！」
「そうよ！お盆をひっくり返さないように開けるの大変だったんだから！龍斗！つべこべ言わず配りなさいよ！！」
「あ、龍斗くん私がやるから...まきさん、ありがとうございます。」
「ありがとね典子ちゃん...あら？ちょっと見ないうちに可愛くなった？何、いいことでもあったの？」
「いえいえ何もないです！！それよりまきさんこそ、ご出産おめでとうございます。」
「あ、そういえばお腹がぺちゃんこだ...まきさん、おめでとうございます。」
「おめでとうございます...龍ちゃん、叔父さんになったんだね。」
「みんなありがとね...で、今日はなんの会合？」
まきさんがマイカップを持ち、龍我くんと猪狩の間に座り込む。
「...出てけよ。」
「え、なんで？私も仲間にいーれーて！」
「いーれーない！はい！ご苦労さま！」
「なんでよーだってこっち帰ってきてからヒマなの！毎日息子の顔色見てるばっかりでさ。」
「...ほらその息子が号泣してるし。ほら、行けって。」
「うそーさっき寝たと思ったのに...ちっ。」
渋々部屋を出るまきさんを見送ると、ごめん！と申し訳なさそうに龍斗くんが座った。
さて、と猪狩が改まる。
「モリコ、お前は松村と連絡取れるんだろ？」
「うん、一応。」
「じゃあ俺たちも納得できるように説明できるか？急に辞めるとか音信不通とかとにかく意味がわかんねーよ！！」
「ちょっと猪狩落ち着いて！のりちゃんを責めないの！」
「森口さん、無理しないで？」
「龍斗くん龍我くんありがとう...じゃあ、聞いて？」
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作者名：Momanao | 作成日時：2021年1月4日 1時
