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帰り道、突然Aさんに聞かれる。
「ところでさ、岸くんて、何者？」
「え？」
「学生？社会人？フリーター、それとも、ニート？」
「今さら聞きますか...あの、S大の3回生です。」
「え、うそ？もしかして、頭いい人？で、3回生ってことは...」
「あ、今年で21歳です。」
「うーわ、若い！！」
「そうですか？Aさんこそ、何してる人ですか？」
「え、会社員。もちろんヒラ。」
「歳は？」
「今年で24歳になりますけど、何か？」
「言うほど変わらないじゃないですか。ていうか、俺のこと年下って分かってましたよね？」
「え、何で？」
「だって最初からずっとタメ口でしたもん。」
「うん。...もしかしたら高校生かも？とか思ってたのよね。岸くんこそ、何でずっと敬語なの？」
「...なんでしょうね。普通に年上の風格、ていうか、圧というか...」
「何それ。軽く悪口言ってない？」
「いえいえ、言ってません(笑)。」
ぷくっとむくれるAさん。
可愛らしくて、つい笑ってしまう。
駅で別れる。
家に帰り、返してもらったパーカーを紙袋から出す。
ふわっと、Aさんの香りがする。
不思議な人だ。
一緒にいると、何だか振り回されているような感じがするけど、
なぜか、楽しんでしまっている俺がいた。
また、会えるのかなって、つい考えてしまう。
それから、どちらからともなくLINEを送りあうようになっていった。
今日、何食べた？とか、日々のちょっとした面白かったこととか、何でもないようなことを送りあう。
そして、お互いの都合があえば、ご飯に行ったり、カフェに行ったりと会うことも増えていった。
LINE同様、くだらないことばっかり話して、2人で大笑いして、駅で"じゃ！"と別れる。
でも、確実に、今の生活の楽しみになってきている。
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作者名：Momanao | 作成日時：2019年9月8日 23時
