47 ページ48
やっとAさんと約束していたキャッチボールができた。
ちなみに集合時間は、早朝６時半。
...ラジオ体操じゃないんだから。
Aさん曰く、まだまだ日中は暑いからとのこと。
初心者のAさんはほとんどの時間をボール拾いに費やす。
疲れきった様子で、朝食用と作ってきてくれたおにぎりを食べる。
俺も！と、先日美久からもらった北海道銘菓を広げる。
「うわー！！めったに食べられないやつじゃん！ありがとう！！」
貰い物なのに、とても喜んで食べてくれている。
持ってきてよかった！！
色々と近況報告をしているうちに、話題は俺の大学生活について。
「へー、なかなか理系の学生さんは大変なんだね。」
「はい。秋には学祭もあるんで、準備や研究発表もする予定なんす。」
「そうかー、忙しそうだね。」
なぜかしばらく黙り込むAさん。
「よし！！」
「うわっっ！！」
突然の大きな声で驚く。
「しばらく、会うのやめよう！」
「え、何で？」
何で？
嫌、なんですけど...
「何でって、めちゃめちゃ大変そうじゃん。体調崩してもいけないし、私のために使ってくれてた時間は、他のことに使って！！」
「え、嫌だ。」
思わず心の声が口に出る。
「なんでよ。あ、美味しいお弁当食べれなくなるから？」
「いやいや違います。」
「そんなのまた落ち着いたら作ってあげるから。ね、とりあえず学祭終わるまで会うのやめよ？」
「嫌だそんなの。」
「子供みたいなこと言わないで下さい。じゃあ、今度は私が何でも言うこと聞くから！」
「何でも？」
「はい。でも私の経済状況とか、無理のない範囲でお願いします。」
「...じゃあ、学祭に来てくれる？」
「え？！」
「じゃないと、俺、頑張れない。」
「えー...うーん...私が行っても、大丈夫なの？」
「当然ですよ！友達にも紹介したいし。ね、来てください！」
「...分かった。じゃあ、行くね。だから、学業頑張って下さい(笑)。」
こうして無理矢理納得させられた俺は、Aさんと学祭まで会わない約束をしてしまった。
...結構長いぞ。
耐えられるかなぁ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Momanao | 作成日時：2019年9月8日 23時
