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(ASide)
最近、思っていること。
伊野尾さんが、何だか、変。
まず、やたらとミスしてる。
今までだったら、ありえないこと。
今日も課長にお小言を言われているのを、"ドンマイ！"と思いながら見ていた。
たまにある、2人きりの時間も、ポーっとしているかと思えば、
"落ち着くから、こうさせて？"とずっと私を抱きかかえて、頭の匂いをずっと嗅いでいたり。
どうしたんだろう？
仕事の合間、飲み物を買いに休憩スペースへ。
...伊野尾さんだ。
数人の女の子と話をしている。
「伊野尾さん、たまには私たちにも付き合って下さいよ！」
「ねぇ、パーッと行きましょうよ！！」
どうやら、伊野尾さんを誘っているような。
相変わらず、人気者だね。
私は軽く会釈をし、伊野尾さんたちの前を通り、自販機にたどり着く。
「ねぇ、」
突然、大きな声。
「Aさんも、行かない？」
「え？」
振り返る私と、伊野尾さんの周りの女の子たちが一斉に驚く。
「え？だってさ、俺、大ちゃんや知念とは行くけど、いつもAさん、いないんだもん。」
...うん。
あなたが行くから、私は行かない。
ただ、それだけのこと。
「Aさんが行くなら、俺も行く。それで、いい？」
にっこりといつもの愛らしい笑みを浮かべる伊野尾さん。
一瞬、周りが静まる。が、
「あ...そうだね、Aさんもよかったら、一緒に行かない？」
1人の女の子が口を開くと、皆が次々と私を誘ってくれる。
「え、あの、私は...」
ちらっと伊野尾さんを見る。
「じゃ、そういうことで。」
"バイバイ"と手を振り、去っていった。
...やっぱり、何か、変。
結局、行く約束をしてしまい、デスクに戻る。
有岡さんと談笑している伊野尾さん。
いつものように、私とは視線を合わさない。
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作者名：Momanao | 作成日時：2019年9月8日 23時
