文句は眼鏡をとってから (ページ23)

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＿＿＿紗凪side

生徒も出て行って落ち着いた頃…

また私達に波が襲ってきた。

…コンコン

部室のドアがノックされて

背の高い白衣を着た先生が入ってくる。

「ここがバスケ部の部室かな？」

白衣に手を入れて

細長い鋭い目で部室を見回す。

「そうやけど。」

紫耀がキャラに戻って白衣の先生を睨む。

「すまないがバスケ部は

廃部にさせてもらうよ。」

…え、

「どういうことや。」

紫耀が睨み気味にそう言うと

先生はツンとした雰囲気で笑った。

「どういうこと？

それは君達がもよく分かってるんじゃないのか？

いつもいつもここでサボって。

こちらの迷惑も考えて欲しい。

この部室を自分の部屋だと思わないでくれ。」

…そんな…ここでサボって

何もしていないからバスケ部を廃部にする？

そりゃ確かに何もしてないって言ったら

何もしてないけど…。

でもここは彼らの大事な息抜きの場所なのに。

「…ただし、夏季大会で優勝すれば

廃部の撤回を考えてやらなくもないぞ。」

そう言って部室を出ていった先生。

もしかしてさっきの人、顧問の人かな？

そうだったら廃部は本気だよ。

顧問の人にまで見捨てられたら終わりだよ。

「くそっ…！」

強く言い放った廉が思いっきり眼鏡を投げた。

優勝なんて無理にほど近いはず。

確かにこの６人の能力は凄い。

でも…桜坂高校のバスケ部には…

勝つことなんか出来ない。

この地区でここ数年間

ずっと桜坂高校が優勝している。

まず…桜坂高校バスケ部

４番阿部顕嵐。

ボールを自由自在に操る、ドリブルの達人。

６番長妻怜央。

背が高くジャンプ力もある。

１０番神山智洋

背が小さく足が速く運動神経抜群。

１１番高橋海人

ドリブルとステップで攻めに強い。

１５番神宮寺勇太

ディフェンス、オフェンス共に強い。

この５人は…桜坂高校黄金期と言われている。

この人達には……とてもじゃないけど

勝てるとは思えない。