nectar《nrs》 (ページ11)

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＃１０ページ11

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「んわっはっはっは！」

「いやあ、めいちゃんいいねえ！」

抜け出そう、と話をしていた数十分後には、個室に笑い声が響く様になっていた。

主に一ノ瀬さんとめい。

あらきさんと相川さんは、ふわふわした口調ではあるが大人しく、酒を嗜む程度に飲み進めている。

私はと言うと、そんな彼等を見詰めながらオレンジジュースをちびちび。

別に酒は飲めなくはないが、あのめいの様子を見ていると、誰が介抱するかなんて明白だ。

「Aちゃん、飲んでる？」

『あ、はい』

「めいちゃん、凄いねえ。順応力があるっていうか」

相川さんは、めいが一ノ瀬さんの隣に行った事によって空いた私の隣にストン、と座って自分の飲み物…レモンサワーを一口飲んだ。

『正直めいには頭が上がらないです』

「んふふ、そっか。カップルって訳ではなさそうだけど、何かしらありそうな感じだもんね」

全てを知っているかのような口調で話す彼に驚きは隠せず、思わずじっと見詰めてしまう。

見詰めれば見詰める程、透き通った肌に見蕩れる。

いつの間にか相川さんの視線の先は、端正な顔をクシャ、と崩しながら笑う一ノ瀬さんに向いていた。

『相川さんと一ノ瀬さんって、』

「ん、まふでいいし、向こうはそらるさんでいいと思うよ」

苗字で呼び続ける私に、相川さん…まふさんは笑顔でそう言った。

『まふさん、そらるさん、』

「よく出来ました。…Aちゃんは俺の2個下かな？」

『あ、今21なので多分そうかと』

そっかあ、と呟くまふさんの声を聞きながら、あらきさんの方へ視線を向けると、もう既にかなり酔っているのか微睡みに溶けかけていた。

「あらきくんがね、Aの話をよくするんだよ。あ、あらきくんと俺とそらるさんは、地元の高校が同じで顔見知りなの」

そこからまふさんは、ゆっくりとした口調で、まふさん自身の事、そらるさんの事、2人の事等たくさん話しをしてくれた。

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