笑柱 . 壱章【鬼滅の刃】

弐拾捌 ページ29

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ヒヤッとした感覚の後 、眩しく思いながら目を開ける





｢ お目覚めになりましたか 、心笑様

お身体の方はいかがですか ？ ｣


『 ... 大丈夫です 、ご迷惑をお掛けしてすみません 』





どうやら額に濡らした手拭をのせてくれた感覚だったようで 、ここは藤の家らしい

刀を杖代わりに藤の家に向かって歩いていたが途中から記憶が無い





｢ 途中で倒れていらしたので 、村の若者に運ばせたのです 。酷いお怪我でしたので安静にするようにと医者が申しておりました

それと ... 迷惑ではありませんから 、ゆっくりお休み下さいな ｣


『 はい ... ありがとうございます 』





立ち上がって部屋を出るおばあさん

呼吸がまだ少し苦しいのは 、童磨の血気術の所為だろう

体の至る所に包帯が巻かれ痣になっている



下弦と上弦ではこんなにも力が違うのか





( くそ ... 仕留め損ねた 、 )





私が彼処で首を切れていれば一体どれ程の人が救われたのだろう

彼奴等に食われた鬼殺隊もいるだろうに



己の弱さに反吐が出る





｢ ｶｶｯ ｣


『 やぁ笑太朗 、 』





小さく鳴かれ笑太朗を見れば 、文が括り付けられてある


______ 上弦の弍 、参と遭遇 。負傷の為藤の家へ戻ります


短い伝言だがしっかりお館様へ伝えてくれたらしい

痛む腕を動かし文を開く





______ A へ



上弦二体相手に生きてくれていた事を誇りに思うよ

先ずは怪我を完治させて 、と言いたい所だが

A無しでは鬼殺隊の指揮が大幅に下がってしまう


医者から許可が降り次第 、早めに戻って来て欲しい

ごめんね 、頼むよ



______ 産屋敷耀哉





あまね様の代筆であろう達筆である文

どうしてお館様はこうも下手に出るのか

貴方の統制があってこその鬼殺隊



命じてくれれば 、地を這ってでも従うのに





( なんて 、そんな事を考えるのは野暮か )

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