51話 ページ10
貴女｢(去年のフットボールフロンティアでの帝国戦、豪炎寺くんは出場しなかった。確実に何かがあった可能性が高い。……ねぇ、あなたは何故出場しなかったの？木戸川清修の元エースストライカーさん)｣
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栗松《その試合……やるって言ったでやんすか……？》
帰国子女であるという情報のせいか、通常の転入生よりも多いであろう質問攻めに遭いながらも、Aは一日の授業を終えた。そして、休憩時間にサッカー部部室内に仕掛けておいた音声も拾える監視カメラ映像の電源を入れると、近くにあった大木に登り、今はそれを見ている最中だ
円堂《やるさ！廃部になんかさせない！！きっちり11人揃えてやる！！》
どうやら雷門中サッカー部対、帝国学園中サッカー部との練習試合が10日後に決まったそうで、その話をしているようだ
宍戸《相手は帝国ですよ……？無理、絶対無理……！》
少林寺《ボコボコにされて恥かくだけですよ》
半田《結局廃部ってことか……》
壁山《この部室ともおさらばッスね……》
だが、やる気満々の円堂に対し、他の面々は戦う気はおろか、やる気もない
貴女｢(……まぁ、こうなるのも無理はない、か……)｣
円堂《お前らなぁ！サッカーを愛する気持ちがあれば不可能だって可能になる！何も始まってないのに諦めちゃダメだ！諦めちゃダメなんだよ！！》
そう言って円堂は、新たな部員を集める為部室を飛び出して行った。しかし、他の部員は出ていこうとはしない。Aは一つため息をこぼし、空を見上げる
貴女｢(それにしても……帝国学園はどうして弱小サッカー部との練習試合なんて……)｣
そこまで考えたところで、ふとAの脳裏に今日自分と同じく転入してきた豪炎寺の事がよぎる
貴女｢(まさか、帝国学園の狙いって……)｣
その考えに至った瞬間、Aは監視カメラの映像を切り、入部届を片手に職員室へと向かった
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何故か顧問である冬海に色々言われながらも、サッカー部への入部届を提出し終えたAは、早速サッカー部の部室のドアを軽くノックして開けた
貴女｢失礼します｣
中には黄色と青のユニフォームを着た6人の部員と、マネージャーらしき一人の女子生徒がいた
木野｢あれ？江戸川さん？｣
貴女｢あなたは確か同じクラスの……そう、サッカー部のマネージャーだったんですね｣
木野｢えっと……誰かに用事？｣
貴女｢円堂くんいませんか？｣
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作者名：ミニgirl | 作成日時：2021年10月15日 19時
